
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
野沢菜漬は、葉と茎が大きく発達したアブラナ科の野菜を塩漬け・乳酸発酵させた漬物である。標高600メートルの野沢温泉村を中心とした長野県内全域で生産され、寒冷地ならではの保存食文化として発達した。晩秋の収穫後、一石桶と呼ばれる大きな桶で大量に仕込み、年末年始にはべっ甲色に熟成した絶品の味を楽しむ。家庭ごとに浅漬けと古漬けの使い分けがあり、古漬けは炒め物に、浅漬けはおにぎりやおやきの具材として現代でも多様な料理に活用されている。
由来・歴史
野沢菜の起源は、宝暦6年に野沢温泉村の住職が京都から天王寺かぶを持ち帰り植えたことに遡る。本来は根を食用とする温暖地の品種だったが、標高600メートルの高冷地の気候風土により突然変異を起こし、根が育たず葉と茎だけが大きく発達した。味の良さが評判となり、地名を冠した「野沢菜」として広まり、現在は長野県を代表する2大漬物の一つに数えられる。
食べ方
収穫後2〜3週間で食べられるようになり、1ヵ月後の年末年始頃に乳酸発酵が進みべっ甲色になって絶品となる。浅漬けはそのまま食べたりおにぎり・おやきの具材に、春先に黄色く変色した古漬けは酸味が強く油との相性が良いため炒め物にして楽しむ。パスタなど現代の料理にも応用されている。
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産地
漬物の名物

おみ漬
「おみ漬」は「近江漬」が転化した名前という説もある、山形県の刻み漬物。山形青菜の葉先など余った部分を使い切る知恵が生んだ、ごはんのお供に欠かせない常備菜である。

近江牛の味噌漬
江戸時代に彦根藩が将軍家へ献上した「反本丸」が原型。薬用として始まった近江牛の味噌漬は、国内最古のブランド牛を白味噌に漬け込む贅沢な郷土料理へと発展した。

パパイヤ漬け
戦後の食糧難を支えた青パパイヤの保存食。奄美がアメリカ統治下だった頃に沖縄から伝わり、味噌や醤油で漬けて親しまれてきた。鶏飯の薬味としても欠かせない。

ニシン漬け
氷点下の北海道の冬、凍った野菜がシャリシャリと鳴る食感が特徴の発酵漬物。かつて100万トン水揚げのニシン漁業の時代から受け継がれる保存食の知恵が息づく。

身欠きにしんの糀漬け
北前船が運んだ北海道の「身欠きニシン」を、新潟の糀文化で再構築した発酵保存食。甘酒の甘みと塩気が絡む、お正月の贅沢な酒の肴である。

松前漬
松前藩発祥の保存食が、ニシン漁師の母たちの手で冬の定番へ。数の子が高騰する現代では、スルメイカと昆布が主役となっている。
長野県の名物

おしぼりうどん
「あまもっくら」と呼ばれる奥深い味わいが特徴。辛味大根の絞り汁に信州味噌を溶かしたつけ汁で、冬の坂城町で体の芯から温まる郷土の一杯である。

おやき
信州を代表する「おやき」は、縄文時代から続く小麦文化の結晶。囲炉裏の灰で蒸し焼きにした「灰焼きおやき」が元祖で、今では焼く・蒸す・蒸して焼くなど調理法も千差万別。

鮭の粕煮
長野県東信・上伊那地域の正月の歳取り料理。大晦日に大鍋で煮込み、翌日は餅入りの雑煮に変身する、塩サケと酒粕のシンプルながら奥深い味わい。

のたもち
枝豆の甘い香りが広がる鮮やかな緑色の餡を、半搗きのごはんに塗りたくる独特の食べ方が特徴。諏訪地方では盆の帰省客をもてなす定番として親しまれてきた。

にらせんべい
米が貴重だった山間部で生まれた「粉もの」の知恵。にらを混ぜた小麦粉の生地を薄く焼き、味噌だれや醤油だれをたっぷりつけて食べる、長野・北信の素朴な味。

こねつけ
戦国武将・真田幸村が出陣前に腹ごしらえしたと伝わる郷土料理。米が貴重だった時代、小麦粉を混ぜて焼き上げた携行食が、今はおやつとして親しまれている。