
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
赤身のきめ細やかさと脂肪のバランスに優れた近江牛を、にんにくや唐辛子を加えた白味噌に数日間漬け込み、味を浸透させてから焼く肉料理である。滋賀県は琵琶湖を擁み豊かな水と肥沃な土地に恵まれ、東海道本線開通後は東京への貨物輸送拠点として発展した牧畜の地である。通年作られる家庭の味として親しまれ、各家庭の味噌の配合や漬け込み日数で風味が異なる。現代では加工品としても流通し、観光土産や贈答品としても重宝されている。
由来・歴史
江戸時代、生牛馬と畜禁止の定法があった中、1781年彦根藩は花木伝右衛門が中国「本草綱目」を参考に考案した牛肉の味噌漬を、補養薬「反本丸」として将軍家や徳川御三家に献上した。1866年の牛鍋屋開業を経て、明治23年(1890年)東海道本線開通と近江八幡駅からの貨物輸送開始により、近江牛は全国に名を広めた。
食べ方
にんにくと唐辛子を混ぜた白味噌に肉を漬け、数日間寝かせて味を染み込ませる。焼く際は付着した味噌を拭き取り、油を引いたフライパンで両面を軽く炙る。通年食べられるが、贈答や観光土産としても人気が高い。
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産地
漬物の名物

パパイヤ漬け
戦後の食糧難を支えた青パパイヤの保存食。奄美がアメリカ統治下だった頃に沖縄から伝わり、味噌や醤油で漬けて親しまれてきた。鶏飯の薬味としても欠かせない。

らっきょう漬け
参勤交代で小石川薬園から持ち帰ったらっきょうが、鳥取砂丘の特産品へと育った。塩漬けと味付けの二刀流で、今や砂丘観光の定番土産となっている。

魚の漬物(塩辛)
「サイラのしょから」という呼称が残る三重県の魚の塩辛。冷蔵庫のない時代、熊野灘で大量に水揚げされた鮮魚を一匹丸ごと甕に漬け込み、透き通るような赤い身を春に味わう保存食である。

おみ漬
「おみ漬」は「近江漬」が転化した名前という説もある、山形県の刻み漬物。山形青菜の葉先など余った部分を使い切る知恵が生んだ、ごはんのお供に欠かせない常備菜である。

野沢菜漬
霜に当たると甘く柔らかくなるという野沢菜の特性を活かし、宝暦6年に野沢温泉村の住職が京都から持ち帰った天王寺かぶが突然変異して生まれた県を代表する漬物。高冷地の厳しい冬を越す知恵が詰まった味である。

ニシン漬け
氷点下の北海道の冬、凍った野菜がシャリシャリと鳴る食感が特徴の発酵漬物。かつて100万トン水揚げのニシン漁業の時代から受け継がれる保存食の知恵が息づく。
滋賀県の名物

鯖そうめん
「五月見舞い」で嫁ぎ先に贈られた焼きサバが、農繁期の簡単なごちそうとして生まれた。湖北地域の春の味覚として、長浜の曳山まつりでも振る舞われる名物料理である。

鯖の棒ずし
「鯖街道」の名残を今に伝える棒状の押し寿司。大津や長浜の曳山祭りのご馳走として欠かせず、寒い季節に味わう伝統の味である。

しじみ汁
琵琶湖固有種「セタシジミ」の殻がふっくら開くと、濃厚な出汁が広がる。昭和40年代までは日常の味だったが、環境悪化で激減し、今や春の贅沢となっている滋賀の滋味。

おあえ団子
米粉団子を白和えで包む滋賀の変わり種和え物。法事に欠かせない「おあえ」の名は、野菜と団子を「和え合わせる」ことに由来する。

くるみごぼう
「ごんぼ祭り」で供えられる縁起物。枝豆をすりつぶした緑色の餡にごぼうを絡め、1年の健康を願う滋賀・信楽の知られざる郷土料理。

湖魚の天ぷら
琵琶湖の小アユ、イサザ、ワカサギを使った天ぷらは、湖魚の旬が異なるため年間を通して楽しめる。体長7cmにしか育たない小アユは、凝縮された旨みと柔らかな食感が特徴だ。