
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
八丁味噌をベースとした濃厚な汁に、塩を使わず小麦粉と水だけで打ったコシの強いうどんを煮込んだ麺料理である。愛知県は三河地方を中心に、徳川家康の居城であった岡崎城周辺で発祥した八丁味噌という栄養価の高い豆味噌文化が根付いており、この味噌を用いた郷土料理が多数存在する。寒い冬はもちろん年間を通して食べられ、家庭ではゆでうどんを使用し、油揚げ・とり肉・かまぼこ・ねぎなど具材は家庭や店舗によって異なる。最後に卵を割り入れ、うどんを食べ終わった後はごはんを入れておじやにする食べ方もある。保温性の高い土鍋で作ることで、食べ始めと終わりで麺の食感が変化するのも特徴である。
由来・歴史
明治時代には一宮市の飲食店で提供されていた記録があり、その後名古屋市を中心とした地域で広く食べられるようになった。八丁味噌は、岡崎城から八丁(約870m)離れた八丁村(現・岡崎市八帖町)が発祥の地で、ほぼ大豆を原料とし長期間の発酵・熟成を経て濃厚な味わいと色味を持つ。三河の地ではこの赤味噌の健康効果も重視され、赤味噌文化が強く根付いた。
食べ方
家庭ではゆでうどんを使用し、油揚げ・とり肉・かまぼこ・ねぎなど具材は家庭や店舗によって異なる。最後にひと煮立ちさせる前に卵を割り入れ、うどんを食べ終わった後はごはんを入れておじやにすることもある。保温性の高い土鍋で作るのが特徴で、いつまでも熱々の状態で食べられ、食べ始めと終わりで麺の食感が変化するのも楽しみの一つ。寒い冬はもちろん、年間を通して食べられている。
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産地
うどんの名物

おしぼりうどん
「あまもっくら」と呼ばれる奥深い味わいが特徴。辛味大根の絞り汁に信州味噌を溶かしたつけ汁で、冬の坂城町で体の芯から温まる郷土の一杯である。

しっぽくうどん
「しっぽく」の名は、かつて大根を「しっぽく」と呼んだことに由来する。煮干し出汁で冬野菜と油揚げを煮込み、コシの強い讃岐うどんにかけて食べる香川県の冬の名物料理である。

年明けうどん
1月15日までに食べる紅白の縁起麺。香川県が新たに生み出した年始の食文化で、白い麺に赤い食材を彩り、一年の幸せを願う。

伊勢うどん
昭和47年に名前が決まった「新しい郷土料理」。太く柔らかい麺に黒いたまり醤油のつゆを絡め、伊勢市民のソウルフードとして親しまれている。

皿うどん
深い器ではなく皿で供されたことから名付けられた長崎発祥の麺料理。明治時代にちゃんぽんとともに生まれ、太麺と細麺の2系統が今も並存する。

地獄炊き(五島うどん/島原そうめん)
遣唐使が伝えたとされる五島うどんを、鉄鍋で「ぐつぐつ」煮込む「地獄炊き」。アゴだしと溶き卵に絡めて食べる、五島列島の鍋囲み行事食である。
愛知県の名物

味噌おでん
土鍋の中央に味噌壺を置き、具をつけて食べる愛知県独自のおでん。江戸時代の味噌田楽がルーツとされ、八丁味噌の濃厚なコクが冬の寒さを染み込ませる。

もろこずし
モロコを甘辛く煮漬けて斜めに並べる尾張の箱ずし。かつて米が貴重な時代、皆が平等に味わえるよう考えられた斜め配置が特徴である。

煮味噌
八丁味噌を代表とする愛知の豆味噌文化が生んだ「煮味噌」。具材を味噌で煮返すうちに味が染み、翌日さらに美味しくなる「煮返しの楽しみ」が家庭に受け継がれる。

味噌田楽
白い袴に色付きの上着の田楽法師が、一本棒に乗って踊る姿に似たことから名付けられた。豆腐を串に刺して焼き、赤味噌を塗った愛知の味噌文化を象徴する郷土料理である。

串あさり
江戸時代に徳川幕府へ献上された三河湾の名物。肉厚な春アサリを串刺しにし、ただ天日干しするだけの極めてシンプルな保存食で、亀崎潮干祭には欠かせない一品である。

きしめん
中国のお菓子「碁石麺」が名の由来とされ、平たい形状が愛知県民の濃い味好みに合致して定着した県のソウルフード。ムロアジとたまりの濃厚つゆが特徴である。