
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
丹波産の黒大豆を砂糖や醤油で弱火でじっくり煮込んだ煮豆で、ふっくらとした食感と濃厚な味わいが特徴である。主な伝承地域は南丹地域、中丹地域、丹後地域で、特に京丹波町や南丹市などの丹波地域は肥沃な土地と昼夜の気温差が大きい内陷型気候により、大粒で品質の高い黒大豆の産地として知られる。おせち料理に欠かせない一品として、健康・長寿を祈願して正月に食べられる。家庭ごとに煮込み具合や味付けに違いがあり、現代でも年始の食卓を彩る伝統的な味として親しまれている。
由来・歴史
丹波黒大豆の栽培の歴史は古く、10世紀の書物には「烏豆(クロマメ)」として大豆と区別され記載されている。16世紀には宮中への献上物に「黒豆」の名が見え、このころには既に栽培が盛んであったと推測される。栽培期間が半年間と長く技術的にも難しいことから、生産者の間では「苦労豆」と呼ばれることもあった。
食べ方
黒大豆を砂糖や醤油とともに弱火で時間をかけてゆっくり煮込み、ふっくらと仕上げて器に盛って食べる。収穫は11月ごろで、煮豆用の黒大豆を使用する。正月のおせち料理として健康・長寿を祈願して食べられるほか、未熟の時期に収穫した枝豆や豆ごはんなど、素材の味をダイレクトに楽しむレシピもある。
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産地
煮物の名物

車麩の煮物
ドーナツ型の独特な形状が名の由来。室町時代に中国から伝来し、北前船で新潟に渡った加工技術が生んだ、一週間近くかけて仕上げる手間ひまのかかる伝統食材である。

くつぞこの煮つけ
「くつぞこ」の名は、扁平なシタビラメの姿が靴底に似ていることに由来する。有明海の泥質の海底に生息するこの魚は、表皮の色で「クロシタ」「アカシタ」と呼び分けられ、古くから庶民の惣菜魚として親しまれてきた。

きゅうりと川エビの煮物
柴漬け漁で獲る手長エビと、全長30cmに達する地這きゅうりを煮合わせた夏の逸品。漁師が始めたとされるこの料理は、片栗粉でとろみをつけて冷やして食べるのが高知流である。

暮れの煮物
「大物になるように」という願いを込め、高知県で年越しに欠かさず食べられる縁起物。くじら肉と切り昆布、大根などを煮込み、室戸市の300年続く捕鯨文化が育んだ味である。

くきたち干しの煮物
生命力旺盛なアブラナ科野菜「くきたち」を春に天日干しし、冬の貴重な保存食として蓄えてきた郷土料理。干す際に軽く揉むことが美味しさの秘訣である。

こうなごのくぎ煮
錆びた釘に似た細長い姿から「くぎ煮」と名付けられた三重県の佃煮。伊勢湾の春の風物詩として親しまれてきたが、資源保護のため近年は禁漁となり、回復を待つ状態にある。
京都府の名物

万願寺とうがらしとじゃこの炊いたん
唐辛子の名に反して辛くない「万願寺とうがらし」は、大正末期に京都府舞鶴市万願寺地区で自然交雑して誕生した京のブランド野菜。じゃこと炊いた夏のおばんざいは、子どもも安心して食べられる家庭的な味わいである。

松茸ごはん
収穫直後の車内が濃厚な香りで満ちる「丹波マツタケ」は、香りの強い「開き」を使って炊き込むのが京都流。戦前年間1200トンあった生産量が現在は数トンに激減し、希少性から高級食材として珍重されるようになった。

壬生菜のからし和え
1804年の文献に「壬生に産する壬生菜」と記された京の伝統野菜。みず菜とは異なるぴりっとした辛みと苦味が特徴で、からし和えは各家庭でアレンジが受け継がれる定番料理となっている。

栗ごはん
平安時代から貴族に献上された「丹波くり」を使い、塩味のごはんに栗の甘さが際立つ秋の味覚。鮮度が命のため、栗の収穫直後にしか味わえない限定のごちそうである。

古老柿なます
観音の化身と伝わる娘が伝えた縁起物「古老柿」を使い、正月のおせちに欠かせない京都・宇治田原町の伝統料理。干し柿の素朴な甘みと大根・人参のさっぱり感が絶妙に調和する。
ふるさと納税きごしょう
「青ト」の愛称で親しまれる伏見とうがらしの若葉が「きごしょう」。ほのかな辛味と独特の苦みが、ごはんと酒をすすむ京の夏の味である。