
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小アユを醤油・みりん・山椒などで甘辛く佃煮にした湖魚の佃煮である。独特の臭みを消すため粒山椒やしょうがを加え、水あめを使う・鍋返しをしないなど煮くずれ防止の工夫が施される。琵琶湖周辺が主な伝承地域で、湖の豊かな漁業を背景に発展した。5月から8月上旬の旬の時期に作られ、各家庭で炊いた佃煮を持ち寄って味を競う習慣もある。地域や家庭・業者によって炊き方に違いがあり、煮汁を多めにして照りを出す「カチッと炊き」などのバリエーションが存在する。加工品も販売され通年楽しめるが、現代でも手作りの伝統が継承されている。
由来・歴史
琵琶湖のアユは餌の関係で体長7cmほどにしか成長せず「小アユ」と呼ばれる。食感が柔らかく食べやすいことから、昔から稚魚が全国に出荷され河川に放流されてきた。湖魚の佃煮は1998年に滋賀県選択無形民俗文化財「滋賀の食文化財」として選定され、小アユ・モロコ・ゴリなどを使用する伝統が今に伝わる。
食べ方
鍋に洗った小アユを入れ、醤油・砂糖・酢などで加熱し、沸騰後は弱火にして梅干しと山椒を加える。落としぶたをして煮たらみりんを加え蒸らし煮にし、荒熱を取って完成する。5月から8月上旬の旬の時期に作られるが、加工品も販売され通年食すことができる。
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産地
煮物の名物

小鮒の甘露煮
生きたまま鍋に入れるという荒技が特徴の「小鮒の甘露煮」。跳ねる小フナを素早く蓋で押さえ込む、佐久の母親たちの技が光る秋の味覚である。

鯉のうま煮
「来い、こい」という縁起の良さから、山形の祝いの席に欠かせない一品。1802年、上杉鷹山公が米沢でコイ養殖を奨励したことが始まりで、厳しい冬の寒さで身が引き締まった「米沢鯉」は牛やりんごと並ぶ名産となった。

こうなごのくぎ煮
錆びた釘に似た細長い姿から「くぎ煮」と名付けられた三重県の佃煮。伊勢湾の春の風物詩として親しまれてきたが、資源保護のため近年は禁漁となり、回復を待つ状態にある。

カスベの煮付け
「煮ても焼いても食べれない“かす”にしかならない魚」という蔑称から名づけられたカスベは、今や冬の北海道を代表する煮付けに。骨まで食べられる軟骨魚で、冷めると煮こごりになるのも特徴である。

からかい煮
「十把一絡げ」の「からげ」が訛って「からかい」となったエイのヒレ煮込み。海のない山形の内陸部で、正月やお盆のハレの日に赤飯と並ぶ特別な行事食として重んじられてきた。

かぼちゃのいとこ煮
「いとこ煮」という奇妙な名前には、野菜を別々に煮る「姪々(めいめい)」や「甥々(おいおい)」から来たという説がある。茨城県の冬至の定番で、江戸崎かぼちゃと小豆を醤油で煮た保存食として親しまれてきた。
滋賀県の名物

幸福豆
「幸福豆」は農作業の合間に食べられた大豆のお菓子で、米粉を使えばもちもちとした食感に変わる。滋賀県の豊かな米文化が生んだ、質素ながら滋味深い郷土菓子である。

湖魚の天ぷら
琵琶湖の小アユ、イサザ、ワカサギを使った天ぷらは、湖魚の旬が異なるため年間を通して楽しめる。体長7cmにしか育たない小アユは、凝縮された旨みと柔らかな食感が特徴だ。

くるみごぼう
「ごんぼ祭り」で供えられる縁起物。枝豆をすりつぶした緑色の餡にごぼうを絡め、1年の健康を願う滋賀・信楽の知られざる郷土料理。

じゅんじゅん
鍋の中で「じゅんじゅん」と響く音が名の由来。琵琶湖の旬の湖魚と地元野菜を、すき焼き風に煮込む滋賀の伝統鍋。近江牛や固有種イサザも加え、年節の客寄せから日常まで幅広く親しまれる。

いとこ煮
「おいおい(順番に)煮える」ことから名付けられたという説がある滋賀県の郷土料理。小豆と里芋またはかぼちゃを煮込み、報恩講や冬至に欠かせない一品として親しまれてきた。

いさざ豆
琵琶湖固有種の小魚「イサザ」と「畑の肉」大豆を合わせた佃煮。冠婚葬祭に欠かせない湖北の味で、照りのある煮汁が特徴的である。