
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小豆を里芋またはかぼちゃと醤油で煮込んだ汁物である。主に湖北地域を中心に県内全域に広がり、湖東ではかぼちゃを、湖北では里芋を使う地域差がある。親鸞聖人の遺徳を偲ぶ報恩講や法事、さらに冬至の行事食として古くから食べられてきた。冬至にかぼちゃを食べるのは風邪予防の民間信仰に根ざす。家庭によっては砂糖の量や煮込み具合に違いがあり、現代でも栄養価の高い郷土料理として再評価されている。
由来・歴史
名前の由来には諸説あり、「おいおい(順番に)」煮えることから「いとこ煮」となった説、兄弟やいとこが集まる席で食べられたことからの説、「いとく煮」が転じた説などがある。親鸞聖人の遺徳を偲ぶ報恩講や法事の際によく作られ、冬至にはかぼちゃ版が風邪予防のため食された。
食べ方
小豆は一度ゆでこぼしてアクを抜き、柔らかくなるまで煮る。一口大に切った里芋を下ゆでし、砂糖と醤油で煮た小豆に加えて煮込む。報恩講や法事、冬至の行事食として供され、病気知らずを願う縁起物として親しまれている。
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産地
煮物の名物

じゃがいもとひじきの煮物
海の幸と山の幸を合わせた開山祝いの一品。富士山信仰の宿坊・御師が100年以上前から振る舞い、今も7月1日の山開きに欠かせない郷土の味である。

じぶ煮
「じぶじぶ煮る」擬声語から名付けられた説もある加賀の名物料理。鴨肉に小麦粉をまぶして煮ることで、寒い冬でも体の芯から温まるとろみ汁が特徴である。

蛇腹大根(房切り大根)の煮物
「蛇腹」の名は、独特の切り方で3倍に伸びた大根が蛇の腹のように連なることに由来する。南阿蘇の冬の風物詩として、軒下に白い花のように吊るされる保存食である。

いたどりの煮もの
怪我の患部にすりこむと痛みが取れることから「痛取り」と名付けられた山菜。吉野の山間部では「ごんぱち」という別名でも親しまれ、春の訪れを告げる味覚として欠かせない存在である。

いなごの佃煮
漢字で「稲子」と書くいなごは、稲刈りとともに収穫される秋の味覚。伊那谷では9〜10月、手拭いの袋を腰に下げて飛び跳ねるいなごを捕まえ、甘露煮や佃煮にして食べる伝統が残る。

いもの茎の炒め煮
「さあ、いもの茎をはごう」——散財のあとに口にされた高知の家計支えの知恵料理。さつまいもの葉柄を炒め煮にした、シャキシャキ食感の夏の味覚である。
滋賀県の名物

じゅんじゅん
鍋の中で「じゅんじゅん」と響く音が名の由来。琵琶湖の旬の湖魚と地元野菜を、すき焼き風に煮込む滋賀の伝統鍋。近江牛や固有種イサザも加え、年節の客寄せから日常まで幅広く親しまれる。

小あゆの山椒煮
琵琶湖産の小アユを甘辛く炊き上げた佃煮。体長7cmにしか成長しない小アユは、餌の関係で琵琶湖独自の生態を持つ。1998年には滋賀県選択無形民俗文化財に選定された湖魚の佃煮の代表である。

幸福豆
「幸福豆」は農作業の合間に食べられた大豆のお菓子で、米粉を使えばもちもちとした食感に変わる。滋賀県の豊かな米文化が生んだ、質素ながら滋味深い郷土菓子である。

いさざ豆
琵琶湖固有種の小魚「イサザ」と「畑の肉」大豆を合わせた佃煮。冠婚葬祭に欠かせない湖北の味で、照りのある煮汁が特徴的である。

ひとかわすし
一段ずつ取り分けて食べる豪華な押し寿司。20〜40人分を一度に作れるため、ハレの日の人呼びに欠かせない東近江の名物である。

日野菜漬け
蒲生貞秀が約500年前に発見したという伝説を持つ滋賀県の伝統野菜・日野菜を漬けたもの。独特の辛みと苦みが特徴で、桜漬け・えび漬け・ひね漬けなど多様な漬け方が伝わる。