
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かぶの一種である日野菜を塩や米ぬか、酢などで漬けた漬物で、葉の紫色と根の白色のコントラストが美しい。滋賀県蒲生郡日野町を発祥とし、当地の気候風土が育んだ伝統野菜を用いる。主に秋から冬にかけて旬を迎え、年越しの食卓や日常の食事に欠かせない。漬け方は家ごとにアレンジが存在し、現在も加工品として通年流通する一方、手作りの技も継承されている。
由来・歴史
日野菜は約500年前、蒲生家中興の祖・蒲生貞秀が日野町鎌掛の観音堂に詣でた際に発見したと伝わる。細長く葉が紫色を帯びた特徴的なかぶで、平成10年(1998年)に滋賀県選択無形民俗文化財「滋賀の食文化財」に選定された。
食べ方
米ぬかとあら塩を混ぜたものを桶の底に敷き、洗って干した日野菜を平らに並べ、塩ぬかを重ねながら手で押し固める。この工程を繰り返し、押し蓋と重石を載せて約1カ月間漬け込む。酢漬けや甘酢漬けなど、塩分濃度や調味料の異なる複数の技法が伝わる。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
漬物の名物

干し大根漬け
「はりはり」と音を立てて食べることから名付けられた新潟の保存食。酢を使わず醤油ベースで昆布とスルメの旨味を閉じ込め、寝かせるほどに味が深まる。

いくらの醤油漬け
「いくら」という名は明治時代にロシアから伝わった語源を持つ。秋のサケ漁期に北海道の家庭で手作りされる醤油漬けは、正月まで楽しむ贅沢な保存食として親しまれている。

いわしの卯の花漬け
おからの白さが卯の花に見えることから名付けられた、九十九里の海と里が生んだ保存食。冬のイワシを酢漬けにし、食物繊維豊富なおからで漬け込むことで型崩れを防ぎ、長期保存も可能になった。

緋の蕪漬/緋のかぶ漬
正岡子規も詠んだ愛媛の伝統漬物。鮮やかな緋色はアントシアニンと酢の化学反応によるもので、かぶの緋色が冴えればその年は良い年になるという縁起物として、松山のおせちに欠かせない。

ごさい漬け
「ごさい」の名は脂肪分の少ない小型イワシ「こさい」が由来ともいわれる、鹿島灘の発酵漬け物。かつては秋のイワシ漁で各家に配られ、庶民の貴重なタンパク源となった冬の保存食である。
滋賀県の名物

ひとかわすし
一段ずつ取り分けて食べる豪華な押し寿司。20〜40人分を一度に作れるため、ハレの日の人呼びに欠かせない東近江の名物である。

いさざ豆
琵琶湖固有種の小魚「イサザ」と「畑の肉」大豆を合わせた佃煮。冠婚葬祭に欠かせない湖北の味で、照りのある煮汁が特徴的である。

いとこ煮
「おいおい(順番に)煮える」ことから名付けられたという説がある滋賀県の郷土料理。小豆と里芋またはかぼちゃを煮込み、報恩講や冬至に欠かせない一品として親しまれてきた。

はす魚田
琵琶湖の固有種・ハスを使った珍しい郷土料理。網にかかるとすぐ死んでしまう性質から、長らく地元でしか食べられなかった幻の魚である。

白菜のたたみ漬け
白菜の葉を1枚ずつはがして重ね漬けにする「たたみ漬け」は、報恩講や冠婚葬祭に欠かせない湖北の格式高い漬物。切っても崩れにくい美しい仕上がりが特徴である。

ごりの佃煮
琵琶湖の小魚「ゴリ」を佃煮にした滋賀県の名物。かつては家庭の味として親しまれたが、近年は漁獲量減少により高級食材へと変貌している。