
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かぼちゃを5cm角に切り、小豆とともに醤油・砂糖・塩で煮る甘じょっぱい煮物である。小豆は一晩水に浸して柔らかく煮てから加え、馴染ませて食べる。茨城県は江戸崎かぼちゃ、那珂かぼちゃ、みやこかぼちゃなど品質の高いかぼちゃの産地で、生産量は国内トップクラスを誇る。夏に収穫したかぼちゃを長期保存し、日照時間が最も短く体が弱まる冬至に、栄養不足を補うため食べられてきた。家庭によっては甘納豆を使った手軽なアレンジもあり、現代でも冬至の風物詩として受け継がれている。
由来・歴史
「いとこ煮」は正月やお盆などの祝い事の後、お供えした野菜や豆を煮て食べたことが起源とされる。名称の由来には諸説あり、「野菜別にめいめいに煮る」から「姪々」、あるいは「追々煮る」から「甥々」といとこにかけた説、畑でとれる野菜や豆はいとこのようなものだからという説がある。かぼちゃは保存が利き栄養価が高いことから、食糧難の時代の貴重な栄養源であった。小豆の赤は邪気を払うとされ、縁起の良いかぼちゃと組み合わせて冬至に食べる習慣が定着した。
食べ方
小豆を一晩水に浸し柔らかく煮てから、5cm角に切ったかぼちゃと合わせ調味料で煮る。小豆を加えて馴染ませてから食べる。甘納豆を使えば調理時間を短縮でき、砂糖は控えめにする。夏に収穫したかぼちゃを保存し、冬至の時期に風邪をひかず冬を乗りきるための栄養補給として食べられてきた。
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産地
煮物の名物

からかい煮
「十把一絡げ」の「からげ」が訛って「からかい」となったエイのヒレ煮込み。海のない山形の内陸部で、正月やお盆のハレの日に赤飯と並ぶ特別な行事食として重んじられてきた。

カスベの煮付け
「煮ても焼いても食べれない“かす”にしかならない魚」という蔑称から名づけられたカスベは、今や冬の北海道を代表する煮付けに。骨まで食べられる軟骨魚で、冷めると煮こごりになるのも特徴である。

小あゆの山椒煮
琵琶湖産の小アユを甘辛く炊き上げた佃煮。体長7cmにしか成長しない小アユは、餌の関係で琵琶湖独自の生態を持つ。1998年には滋賀県選択無形民俗文化財に選定された湖魚の佃煮の代表である。

蛇腹大根(房切り大根)の煮物
「蛇腹」の名は、独特の切り方で3倍に伸びた大根が蛇の腹のように連なることに由来する。南阿蘇の冬の風物詩として、軒下に白い花のように吊るされる保存食である。

じぶ煮
「じぶじぶ煮る」擬声語から名付けられた説もある加賀の名物料理。鴨肉に小麦粉をまぶして煮ることで、寒い冬でも体の芯から温まるとろみ汁が特徴である。

じゃがいもとひじきの煮物
海の幸と山の幸を合わせた開山祝いの一品。富士山信仰の宿坊・御師が100年以上前から振る舞い、今も7月1日の山開きに欠かせない郷土の味である。
茨城県の名物

海藻よせ
琴柱に似た海藻を煮詰めて固めた、鹿行地域の正月の箸休め。磯の香りが際立つさっぱりとした味わいで、濃厚なおせち料理の口直しとして親しまれてきた。

鯉の唐揚げ
骨までそのまま食べられる揚げ方で、子どもから大人まで人気の一品。学校給食にも採用され、霞ヶ浦の養殖コイを身近に味わえる郷土料理である。

こも豆腐
藁苞に包んで塩ゆでした豆腐に、わらの跡が美しい模様を描く。納豆のように藁で包むという、茨城県の大豆文化が生んだ知恵の保存食である。

いわしの卯の花漬け
「卯の花」とはおからのこと。北茨城の豊かな漁場で水揚げされる新鮮なイワシを、酢と合わせたおからに漬け込むことで長期保存を可能にした、知恵の詰まった郷土料理である。

いもがらの炒め煮/いもがらの五目煮
里芋の葉柄を乾燥させた「いもがら」は、茨城の家庭で長く愛される保存食。シャキシャキとした歯ごたえと味染みの良さから、正月の定番煮物から日常の常備菜まで、幅広く重宝されてきた。

干しいも
遭難した薩摩の船を助けた縁から静岡に伝わり、茨城で一大産業となった「干しいも」。海風を利用した製法が全国トップの生産量を生み出す。