
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かます寿司は、カマスの切り身に酢飯を詰めた押し寿司で、甘酢に漬けた身の脂の乗りと酸味が調和する。主な伝承地域は筑後地域の久留米市で、筑紫平野の豊かな米作りと有明海のカマス漁が背景にある。高良大社例大祭(高良山くんち)や北野天満宮秋季大祭(北野くんち)のごちそうとして食べられ、9月・10月のカマス旬の時期には家庭でも作られる。塩じめの時間や甘酢の配合は家庭ごとに異なり、わさびやしそを挟むなどアレンジも加えられ、現代も久留米の秋の味覚として受け継がれている。
由来・歴史
高良大社例大祭は江戸時代より久留米藩主の参拝があった由緒ある秋祭りで、重陽(旧暦9月9日)の吉日と収穫祭が結びついたものである。村人たちは新米を叺(かます)というわらの袋に入れて奉納したが、この時期カマスも旬を迎えていたことから、袋の「かます」と魚の「カマス」の語呂合わせで「かます寿司」が生まれた。農民の信仰的な食として受け継がれ、参道の露店でも売られるようになった。
食べ方
カマスは塩じめして2〜3時間置き、水洗いして水気を切った後、甘酢に漬ける。身に酢飯を詰めラップで巻き、1時間ほど置いて押し寿司の形に仕上げる。わさびを塗る、甘酢しょうがやしそを挟むなど好みで味付けを変えることもある。9月・10月のカマスが旬の時期や、高良山くんち・北野くんちなどの秋祭りで食べられる縁起ものである。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
寿司の名物

カンカンずし
木槌でくさびを打ち込むカンカンの音が名前の由来。「ほらいたずし」の異名を持つ、形が崩れないほど締まったサワラの押し寿司である。

こぶずし
昆布で酢飯を巻く高知の巻きずし。県中央部は白い板昆布、西部は黒い煮昆布と、同じ名で対照的な二つの姿を持つ。芯の具材がないのも特徴で、冠婚葬祭のハレの日に客をもてなした。

こけら寿司
屋根材「こけら板」を押し型に使ったこと、あるいは木屑に似た見た目から名付けられた「押しずし」の原型。和歌山の漁港町では、豊漁祈願の夏祭りでヒメジやエソを使った豪華なこけら寿司が振る舞われてきた。

角ずし/箱ずし
江戸の奥方が懐かしんだ味が石見に根付いた押しずし。具が隠れる「角ずし」と切り分ける「箱ずし」があり、嫁入り道具の木枠が代々受け継がれる。

柿の葉寿司
江戸時代に生まれた柿の葉寿司は、柿の葉に含まれるタンニンによる天然の保存力を活かした知恵の結晶である。紅葉した柿の葉で包むことで、熊野灘のサバやカチエビが一日もち運べた。

柿の葉寿司
山椒の実がアクセントとなる柿の葉寿司は、海から遠い智頭町で魚を腐らせず保存するため生まれた先人の知恵。防腐効果のある柿の葉に塩マスを包み、盆や祭りのおもてなしとして親しまれてきた。
福岡県の名物

かしわめし
鶏肉を「かしわ」と呼ぶ九州の言い回しが名前の由来。冷めてもおいしいもちもちの食感が特徴で、駅弁としても長年親しまれてきた福岡の定番家庭料理。

くつぞこの煮つけ
「くつぞこ」の名は、扁平なシタビラメの姿が靴底に似ていることに由来する。有明海の泥質の海底に生息するこの魚は、表皮の色で「クロシタ」「アカシタ」と呼び分けられ、古くから庶民の惣菜魚として親しまれてきた。
ふるさと納税みとり饅頭
「みとり」とは豆のさやから実だけを摘み取ることから名付けられた。夏あずきを包んだ重曹入りの生地は、蒸すとふっくら丸く膨らみ、ほのかな苦みが特徴的な郷土菓子である。

かぼちゃのだんご汁
日本最古のかぼちゃ「三毛門かぼちゃ」を丸ごと煮込む、戦前戦後の貧しい時代を生き抜いた命のスープ。トロトロの甘みと小麦粉だんごの素朴な味わいが特徴である。

いも饅頭
里芋やじゃがいもを丸ごと小麦粉の皮で包んで蒸す、奥八女・弓掛地区の素朴なおやつ。焼いて醤油をつけて頬張るのが山里の流儀で、腹持ちのよさから冬の食卓に欠かせなかった。

博多の胡麻鯖
傷みやすいサバを生で食べるという博多独自の食文化が生んだ名物。刺身より薄く切ったサバをごまと醤油で和え、熱いごはんに乗せて食べるのが定番で、茶漬け風にアレンジする楽しみもある。