
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小麦粉を練って指で引き伸ばし平たくしただんごを、煮干し出汁で煮た大きな三毛門かぼちゃの汁にちぎり込む汁物である。かぼちゃはトロトロに煮崩れ、甘みが凝縮した素朴な味わいとなる。福岡県豊前市三毛門地区は、1個4kgに達する日本最古のかぼちゃ「三毛門かぼちゃ」の産地で、約450年前のポルトガル伝来の品種を今も守る。夏は汗をかきながら旬のかぼちゃを食べ、冬は保存したかぼちゃで味を深め、子どもからお年寄りまで親しまれてきた。家庭によってだんごの大きさや具材に違いがあり、北九州市では三毛門特産のかぼちゃが贈り物として喜ばれる。
由来・歴史
三毛門かぼちゃは約450年前にポルトガルから伝わった日本最古のかぼちゃとされ、昭和3年(1928年)には昭和天皇に献上、平成30年(2018年)には豊前市の天然記念物に指定された。食糧が乏しかった戦前戦後は特に重宝され、当時を知る人々にとって命をつないだ懐かしい味として記憶されている。しかし昭和40年代以降、西洋かぼちゃの人気に押され生産者は減少した。
食べ方
煮干しと水を煮て出汁をとり、煮干しを取り出した後に一口大のかぼちゃとしいたけを入れて煮る。小麦粉だんごは指で引き伸ばして平たくし、汁の中にちぎり込む。かぼちゃが煮崩れて汁にとろみがつき、甘みが際立つ。夏は汗をかきながら旬のかぼちゃを食べ、寒い冬まで保存したかぼちゃを使い、年中楽しむことができる。
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産地
団子の名物

メギスのだんご汁
「メギス」は石川県の方言で、ギョロっとした大きな目が由来ともいわれる。鮮度が落ちるのが早く産地以外では刺身も味わえない、この地だけの特権的な魚を使っただんご汁である。

おあえ団子
米粉団子を白和えで包む滋賀の変わり種和え物。法事に欠かせない「おあえ」の名は、野菜と団子を「和え合わせる」ことに由来する。

笹団子
戦国時代に上杉謙信が携行食とした保存食が、米俵に似た俵形の和菓子へ。笹の殺菌作用を活かした新潟の銘菓である。

いわしのだんご汁
イワシのすり身を味噌で味付けただんごを、具沢山の汁に浮かべる北総・九十九里の冬の定番。海の米と謳われた地元イワシの栄養を丸ごと味わう、漁師町ならではの知恵料理である。

いわし団子
炭酸を仕上げに加える弓ヶ浜流の工夫が生臭みを抑え、ふんわりとした食感を生み出す。片栗粉などのつなぎを使わない、イワシの身だけで作る珍しい団子料理。

いももち/いもだんご
明治の開拓者たちがもち米の代わりに食した「いももち」。じゃがいもをつぶして焼くだけの手軽さから、戦時中の貴重なエネルギー源として重宝され、今も北海道の定番おやつとして親しまれている。
福岡県の名物

かます寿司
「叺(かます)」というわらの袋と魚のカマスが語呂を合わせ、秋の収穫感謝の奉納から生まれた縁起寿司。高良大社例大祭の名物として久留米で親しまれてきた。

かしわめし
鶏肉を「かしわ」と呼ぶ九州の言い回しが名前の由来。冷めてもおいしいもちもちの食感が特徴で、駅弁としても長年親しまれてきた福岡の定番家庭料理。

くつぞこの煮つけ
「くつぞこ」の名は、扁平なシタビラメの姿が靴底に似ていることに由来する。有明海の泥質の海底に生息するこの魚は、表皮の色で「クロシタ」「アカシタ」と呼び分けられ、古くから庶民の惣菜魚として親しまれてきた。

いも饅頭
里芋やじゃがいもを丸ごと小麦粉の皮で包んで蒸す、奥八女・弓掛地区の素朴なおやつ。焼いて醤油をつけて頬張るのが山里の流儀で、腹持ちのよさから冬の食卓に欠かせなかった。

博多の胡麻鯖
傷みやすいサバを生で食べるという博多独自の食文化が生んだ名物。刺身より薄く切ったサバをごまと醤油で和え、熱いごはんに乗せて食べるのが定番で、茶漬け風にアレンジする楽しみもある。

博多雑煮
串刺しにした具材を椀に盛って出汁を注ぐ、おでんのようなユニークなスタイルが特徴。博多商人の奥方「ごりょんさん」たちが生み出した、忙しい年始の知恵が結実した正月料理である。