
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かぶらずしは、塩漬けの寒ブリをかぶらの塩漬けで挟み、糀でつくった甘酒をのせて1週間から10日ほど漬け込む発酵食品である。酢飯を使わない「なれずし」の一種で、漬物に近い風味と独特のまろやかさが特徴である。主な伝承地は石川県で、能登地方の豊かな漁場と加賀平野のかぶら産地という両者の恵みが結びついた土地柄が背景にある。初冬の「ブリおこし」と呼ばれる雷鳴を合図に始まる寒ブリ漁の時期に作られ、正月の行事食として欠かせない位置づけにある。家庭ごとにかぶらの種類や塩加減、熟成具合が異なり風味は千差万別であり、気温に左右される製作は経験と技術を要する。現代ではスーパーマーケットやデパートでも販売されるが、高価なため一般家庭ではニシンと大根で作る「大根ずし」がより身近な存在となっている。
由来・歴史
起源には諸説があり、金沢市金石町の漁師が豊漁・安全祈願の正月行事食として始めた説、前田藩主が湯治先の温泉宿で味わった説などが伝わるが定かではない。少なくとも江戸時代には既に食されており、魚屋や八百屋が年末の通い帳入れ替えの手土産として広めたとされる。能登の寒ブリは江戸時代に「御用ブリ」として藩主に献上され、「ブリ一本、米一俵」の高級食材であったため、庶民がかぶらで挟んで食べたことが発祥という説もある。
食べ方
熟成が進んだものを何もつけずそのまま食べるのが基本である。製作は気温に左右され、経験と技術が求められる。年の暮れが近づくと売り出され、正月の行事食として食されるが、風味は家庭ごとに異なり千差万別である。高価なため、一般家庭ではニシンと大根で手軽に作れる「大根ずし」がより浸透している。
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産地
寿司の名物
ふるさと納税柿の葉寿司
渋柿の葉に包まれたサバの押し寿司は、一晩置くことで葉の香りと魚の旨みが酢飯に移り、防腐効果も相まって長期保存が可能な知恵の結晶である。紀州の漁師が峠を越えて運んだ夏サバが、奈良の夏祭りを彩る名物へと変貌した。

柿の葉寿司
山椒の実がアクセントとなる柿の葉寿司は、海から遠い智頭町で魚を腐らせず保存するため生まれた先人の知恵。防腐効果のある柿の葉に塩マスを包み、盆や祭りのおもてなしとして親しまれてきた。

柿の葉寿司
江戸時代に生まれた柿の葉寿司は、柿の葉に含まれるタンニンによる天然の保存力を活かした知恵の結晶である。紅葉した柿の葉で包むことで、熊野灘のサバやカチエビが一日もち運べた。

飯ずし
村上市に古くから伝わる「飯ずし」は、なれずしの一種で、塩引きサケと数の子、野菜を米と麹に漬け込み低温発酵させた保存食である。毎冬、気温に合わせて重しを変えながら、出来上がりのタイミングを待つ伝統的な技が受け継がれる。

飯寿司
初雪の頃に漁師の家で漬け始めた、北海道から東北に伝わる乳酸発酵の寿司。塩抜きの加減が味を決める、職人技が光る冬の保存食である。

いわしずし
「祭りずし」とも呼ばれる三重県の秋祭りの名物。木枠で押し固めたイワシと酢飯は、余ればお土産に持ち帰るほどのごちそうであった。海から遠い内陸部ではイワシ自体が珍しい食材だった。
石川県の名物

加賀太きゅうりのあんかけ
果重600gを超える巨大きゅうりを丸ごと煮込む、金沢の夏の風物詩。昭和11年に東北から伝来した短太系きゅうりが、長年の自然交雑で現在の丸みを帯びた緑色の姿へと変化した。

きしず
「けし酢」が訛って「きしず」となったという名称の由来を持つ、加賀市大聖寺の精進料理。刺身の代わりに山海の珍味を錦皿に盛り、香ばしい胡麻だれで味わう。

真子の煮つけ
江戸時代から続く能登の冬の珍味。30cm近い巨大なマダラの真子を、醤油とみりんでシンプルに煮つける。黒い皮に包まれた卵は、輪切りにすると花が咲いたように仕上がる。

じぶ煮
「じぶじぶ煮る」擬声語から名付けられた説もある加賀の名物料理。鴨肉に小麦粉をまぶして煮ることで、寒い冬でも体の芯から温まるとろみ汁が特徴である。

いとこ汁
「いとこ汁」という謎めいた名前の由来は諸説あり、旧暦12月8日の「御事始」に食べられた「おこと汁」が転じた説や、小豆と豆腐の材料関係から「いとこ」と呼ばれた説などがある。浄土真宗の報恩講で親鸞聖人への御恩を報じる食事として供される。

いしる鍋
「魚汁(うおしる)」が訛って生まれたという能登の魚醤「いしる」を使う鍋。スルメイカの内臓を数年熟成させた独特の香りと旨味が、冬の食卓を彩る。