
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
よく炒ってすった黒ごまを米に混ぜて炊きこむごまご飯は、香ばしい香りと旨味が特徴の炊き込みご飯である。津軽地方は江戸時代初期からの新田開発で多彩な米料理が発達し、「色飯」として多様な具入りご飯が作られた。仏事や精進日といった「ケの日」の仏壇供養、田植え、神社の祭り、旧暦9月9日の重陽の節句など、神仏に関わる場面で重んじられた。家庭ごとにごまだけの「ごままま」と栗入りの「栗入りごままま」が区別され、砂糖の使用量ももてなしの度合いで変わるなど、地域性と家の格式が現れた。
由来・歴史
津軽地方で「色飯」「色ごはん」と呼ばれた具入り醤油味のご飯の一種として、江戸時代初期の新田開発以降に発達した。真っ黒な色合いから仏事や精進日に仏壇に供える用途で定着した一方、田植えや祭りでは赤飯に代わる慶事食として砂糖を加えた甘いものも作られた。旧暦9月9日の重陽の節句には酒盃に菊を乗せた神棚への奉納とともに、栗入りのごまご飯が供えられた。
食べ方
もち米単独またはもち米とうるち米を混ぜ、よく炒ってすった黒ごまを炊き込む。すり鉢に残ったごまを水で回して炊き水に加えるのが津軽流で、湯気に乗る香ばしさが魅力である。仏事では醤油味の黒いごまご飯を、田植えや祭りでは砂糖をたっぷり使った甘い「ごままま」をおにぎりにして振る舞い、重陽の節句には栗入りのものを神棚に供えた。
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産地
ご飯ものの名物

はらこ飯
伊達政宗公に献上された宮城の名物料理。「はらこ」とはサケの腹にいる子=いくらを指す方言で、煮サケといくらの贅沢な共演が特徴である。

へぼ飯
クロスズメバチの幼虫「へぼ」を甘辛く煮てごはんに混ぜる愛知県三河地域の郷土料理。かつては山間部の貴重なタンパク源で、今はごちそうとして客に振る舞われる。

いがい飯
山陰唯一の海女の里・青谷町夏泊で、海女が潜って採るイガイを炊き込んだ夏の風物詩。貝殻ごと炊く豪快な食べ方も残る。

どんどろけ飯
雷鳴に似た豆腐の炒める音が名前の由来。鳥取県東部から中部に伝わる、豆腐と旬の野菜を炊き込んだ郷土料理である。

茶飯
「奈良茶飯」を宿場町・今庄に旅人が伝えた、福井の忘れがたい「故郷の味」。豆入り番茶で炊き、仕上げに酒をふりかける独特の香ばしさが特徴である。

あめのいおご飯
「あめのいお」とは「雨の魚」——増水した河川を遡上するビワマスの別名である。秋の産卵期にしか味わえないこの幻の魚を丸ごと炊き込んだ滋賀県の名物料理で、大釜で炊いた後、魚の頭を振ると身と卵だけがぷるぷると落ちる独特の食べ方が特徴である。
青森県の名物

ひっつみ
こねた小麦粉をつかんで「ひっつむ」動作から名付けられた、南部地方の具だくさん汁物。昼にこねて寝かせ、夕食に家族で囲む手軽さが長く親しまれた理由である。

干し餅
「凍り餅」とも呼ばれる津軽の保存食は、寒風に晒し二ヵ月かけて仕上げる手間のかかる逸品。軒先に吊るされたのれんのような姿は、かつての真冬の風物詩であった。

いちご煮
朝露にかすむ野いちごを思わせる黄金色のウニが浮かぶ、八戸の祝い事に欠かせない高級吸い物。大正時代に料亭で生まれた風流な名前が、現代も人気を保つ。

がっぱらもち
アイロンがけの「米糊」作りで出た「糊かす」を無駄にしない工夫から生まれた津軽の知恵菓子。黒砂糖と黒ごまを混ぜてフライパンで焼き、厚みのある円形をピザのように切り分けて食べる。

べこもち
北前船が運んだ江戸の菓子が、下北の職人技で花模様の芸術菓子へと進化。端午の神棚に供え、子どもたちに配られる縁起物である。

赤かぶの千枚漬け
酢を加えると赤い色素が美しく発色し、単調な冬の食卓を彩る津軽の伝統漬物。雪に包まれる厳寒期にじっくり漬け込まれたまろやかな味わいは、昔から冬の野菜不足を補う大切な保存食であった。