
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
通常より多くの水を加えた餅を切り、わらで編んで水にくぐらせた後、屋外で凍らせて風干しする保存食である。津軽地方の五所川原市を中心に盛んに作られ、寒く湿気の少ない気候を活かした製法が特徴的だ。春から夏の農繁期に田畑で食べる軽食として重宝され、腹持ちの良さから農作業のエネルギー源となった。家庭ごとにごまや煎り大豆、しその葉、かぼちゃ、クルミなど具材を加えたバリエーションがあり、現代ではそのまま食べるほか、あぶったりバターや醤油をつけたりとアレンジも楽しまれている。
由来・歴史
極寒期に作られる保存食として古くから伝わり、「凍り餅」の別名でも親しまれた。かつては家々の軒先に吊るされた姿が真冬の風物詩となり、年中行事として地域総出で作られるほど重要な位置づけにあった。各家庭に「干し餅奉行」が置かれ、天候を見極めながら製作のタイミングを計ったという。
食べ方
そのまま食べるとサクサク、ほろほろとした独特の食感が楽しめる。軽くあぶれば米の甘みが際立ち、焼いたバターやバター醤油をつけると風味が増す。油で揚げる食べ方もあり、子どものおやつとしても人気があった。一年で最も寒い2月ごろに作られ、春から夏の農繁期に携行して食べる習慣があった。
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産地
餅の名物

いばら餅
「柏餅の原型」という説もある三重の初夏の郷土菓子。サルトリイバラの葉が餅にうつす爽やかな香りが身上で、5月の節句や田植え終わりの祝い「野上り」に振る舞われてきた。

いももち/いもだんご
明治の開拓者たちがもち米の代わりに食した「いももち」。じゃがいもをつぶして焼くだけの手軽さから、戦時中の貴重なエネルギー源として重宝され、今も北海道の定番おやつとして親しまれている。

いももち
少ないもち米で餅をつくる知恵が生んだ、さつまいも入りの郷土餅。冷めると固くなるため焼いて食べるのが紀州流。

半夏生餅/小麦餅/さなぶり餅
田植えの終わりに食べる「半夏生餅」は、つぶし小麦を混ぜた歯切れのよい餅。早苗饗で田の神に感謝する行事食として親しまれてきた。

五平餅
木こりや狩人が山の講の前夜に食べた携帯食がルーツ。うるち米を潰して串に刺し、味噌ダレを塗って焼く独特の食べ方は、中部山間部に広がる「御幣」の形にちなんだ名物料理である。

五平餅
「1人で5合食べてしまう」美味しさから「五平五合」と呼ばれた、信州の山間部に伝わる串焼きの郷土料理。御幣に似せた形や、峠越えの老人が伝授したという由来など、諸説ある歴史も興味深い。
青森県の名物

いちご煮
朝露にかすむ野いちごを思わせる黄金色のウニが浮かぶ、八戸の祝い事に欠かせない高級吸い物。大正時代に料亭で生まれた風流な名前が、現代も人気を保つ。

イカメンチ
イカの「ゲソ」を叩いてミンチにした津軽のソウルフード。終戦直後の食糧難で生まれた節約の知恵が、今も子どもから大人まで愛される味へと受け継がれている。

いなりずし
酢飯がピンク色で、おはぎのような甘さが特徴の津軽のいなりずし。砂糖をふんだんに使うのは、昔からのおもてなしの心の表れである。

ひっつみ
こねた小麦粉をつかんで「ひっつむ」動作から名付けられた、南部地方の具だくさん汁物。昼にこねて寝かせ、夕食に家族で囲む手軽さが長く親しまれた理由である。

ごまご飯
真っ黒な色が「ケの日」の仏壇に供えられたごまご飯は、津軽の「色飯」文化の代表。田植えや祭りでは砂糖を惜しみなく使った甘い「ごままま」が振る舞われ、地域によって栗入りの豪勢なものも親しまれた。

がっぱらもち
アイロンがけの「米糊」作りで出た「糊かす」を無駄にしない工夫から生まれた津軽の知恵菓子。黒砂糖と黒ごまを混ぜてフライパンで焼き、厚みのある円形をピザのように切り分けて食べる。