
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
半夏生餅は、つぶし小麦ともち米を混ぜてついた餅で、きな粉をまぶして食べる。小麦の粒が入ることで粘りが抑えられ、歯切れがよく消化も良いのが特徴である。主に奈良盆地で伝承され、小麦の収穫期と田植えの終わりが重なる「半夏生」の頃に作られる。田植えが一段落した農家で、労をねぎらうひと時の菓子として食べられ、水田にお供えする地域もある。家庭によって小麦と餅米の配合や大きさに違いがあり、現代でも夏至から11日目の時期に伝統を継承する家庭が見られる。
由来・歴史
夏至から数えて11日目を「半夏生」と呼び、この頃に小麦の収穫が終わり田植えも一段落することから、奈良盆地では半夏生餅を作ってひと休みする習慣が生まれた。田植えの終わりに田の神を送り感謝する「早苗饗(さなぶり)」の行事食として食べられることから「さなぶり餅」の別名も持つ。
食べ方
つぶし小麦ともち米を混ぜてつき、きな粉をまぶして食べる。小麦が入ることで粘らず歯切れがよく、胃もたれしにくい。田植えが終わった夏至から11日目の「半夏生」や、田の神を送る「早苗饗」の時期に食べられ、水田へのお供えとして用いられることもある。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
餅の名物

干し餅
「凍り餅」とも呼ばれる津軽の保存食は、寒風に晒し二ヵ月かけて仕上げる手間のかかる逸品。軒先に吊るされたのれんのような姿は、かつての真冬の風物詩であった。

いばら餅
「柏餅の原型」という説もある三重の初夏の郷土菓子。サルトリイバラの葉が餅にうつす爽やかな香りが身上で、5月の節句や田植え終わりの祝い「野上り」に振る舞われてきた。

いももち/いもだんご
明治の開拓者たちがもち米の代わりに食した「いももち」。じゃがいもをつぶして焼くだけの手軽さから、戦時中の貴重なエネルギー源として重宝され、今も北海道の定番おやつとして親しまれている。

五平餅
木こりや狩人が山の講の前夜に食べた携帯食がルーツ。うるち米を潰して串に刺し、味噌ダレを塗って焼く独特の食べ方は、中部山間部に広がる「御幣」の形にちなんだ名物料理である。

五平餅
「1人で5合食べてしまう」美味しさから「五平五合」と呼ばれた、信州の山間部に伝わる串焼きの郷土料理。御幣に似せた形や、峠越えの老人が伝授したという由来など、諸説ある歴史も興味深い。

がっぱらもち
アイロンがけの「米糊」作りで出た「糊かす」を無駄にしない工夫から生まれた津軽の知恵菓子。黒砂糖と黒ごまを混ぜてフライパンで焼き、厚みのある円形をピザのように切り分けて食べる。
奈良県の名物

いもぼた
里芋の粘りで餅米を節約した農家の知恵が生んだ「いもぼた」。冷めてもやわらかく、亥の日の厄除けとして親しまれる奈良の名物である。

色ご飯
奈良県では醤油味の炊き込みご飯を「色ご飯」と呼ぶ。米が貴重だった時代、具材を混ぜてかさ増しした知恵が現代の家庭料理として親しまれている。

いたどりの煮もの
怪我の患部にすりこむと痛みが取れることから「痛取り」と名付けられた山菜。吉野の山間部では「ごんぱち」という別名でも親しまれ、春の訪れを告げる味覚として欠かせない存在である。

ふき俵
米俵にそっくりな形が名前の由来。田植えの始まり「さびらき」に、ふきの葉でごはんを包み豊作を祈る。大豆には「大きくまめに育つように」の願いが込められている。

エイの煮こごり
ゼラチン質がゼリー状に固まることから「煮こごり」と呼ばれる、奈良のハレの日の定番料理。赤エイを甘辛く煮つけ、冷やして食べる。

でんがら
端午の節句に男の子の成長を願って作られる、枝付き朴の葉にぶら下げた独特の形状の餅菓子。川上村の寒暖差が生んだ保存食の知恵が息づく。