
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
イガイは黒褐色の三角形の貝殻を持ち、ムール貝に似たイガイ科の二枚貝である。鳥取市青谷町夏泊は山陰地方で唯一海女が活動する地域で、潮通しのよい岩礁域に生息するイガイを海女が採取し、炊き込みごはんにする。6月頃から海女の活動が始まる時期につくられ、小さな漁村に夏の訪れを告げる。盆のおもてなし料理として古くから伝わり、家庭によっては人参やごぼうを加えるなどアレンジも見られる。素朴な味わいで口いっぱいに磯の香りが広がり、現代でも地域の食文化として親しまれている。
由来・歴史
イガイの名は、アサリなどの二枚貝とは形や軟体の模様が異なることに由来するとされる。鳥取市青谷町夏泊は山陰で唯一海女が活動する地域であり、沿岸の潮間帯から水深約20mの岩礁域に生息するイガイを海女が採取してきた。海女の活動が始まる6月頃からつくられるようになり、小さな漁村の夏の風物詩として定着した。
食べ方
貝から身を外し、砂礫を含むヒゲを丁寧に取り除いて適当な大きさに切り、ゆでてから米と調味料と一緒に炊く。貝殻ごと炊く食べ方もある。お好みで人参やごぼうを加えてもよい。素朴な味で磯の香りが特徴である。酒蒸し、炭火焼き、お吸い物などの調理法もあり、お吸い物の場合は水から入れると美味しい出汁が出る。盆のおもてなしとして食べられ、6月頃から海女の季節に合わせてつくられる。
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産地
ご飯ものの名物

いりこ飯
漁獲から30分で煮沸される伊吹島の新鮮ないりこを使い、濃厚な出汁で炊き上げる香川の炊き込みごはん。瀬戸内海の恵みを丸ごと味わう郷土料理である。

色ご飯
奈良県では醤油味の炊き込みご飯を「色ご飯」と呼ぶ。米が貴重だった時代、具材を混ぜてかさ増しした知恵が現代の家庭料理として親しまれている。

飯寿司
初雪の頃に漁師の家で漬け始めた、北海道から東北に伝わる乳酸発酵の寿司。塩抜きの加減が味を決める、職人技が光る冬の保存食である。

へぼ飯
クロスズメバチの幼虫「へぼ」を甘辛く煮てごはんに混ぜる愛知県三河地域の郷土料理。かつては山間部の貴重なタンパク源で、今はごちそうとして客に振る舞われる。

はらこ飯
伊達政宗公に献上された宮城の名物料理。「はらこ」とはサケの腹にいる子=いくらを指す方言で、煮サケといくらの贅沢な共演が特徴である。

ごまご飯
真っ黒な色が「ケの日」の仏壇に供えられたごまご飯は、津軽の「色飯」文化の代表。田植えや祭りでは砂糖を惜しみなく使った甘い「ごままま」が振る舞われ、地域によって栗入りの豪勢なものも親しまれた。
鳥取県の名物

いぎす
飛鳥・奈良時代から朝廷への献上品だった海藻料理。見た目はようかんのようだが、口に入れると海の豊かな香りが広がる独特の触感が楽しめる。

いもぼた
弓浜半島の砂地が生んだ「もち米代用」の知恵。さつまいもでかさ増ししたぼたもちは、あんの隙間から覗く黄色い中身が目印。口に入れると芋の甘みが広がる、一見ぼたもちに似て非なる郷土菓子である。

板わかめ
素潜り漁師が採る天然わかめを、収穫後4時間以内に板状に乾燥させた一品。パリパリとした食感を軽く炙ってごはんにかけると、わかめ本来の塩分と旨味が際立つ。

ハタハタ寿司/しろはた寿司
ごはんを使わずおからを詰める珍しい寿司で、鳥取県の賀露神社ホーエンヤ祭で振る舞われてきたごちそう。春に旬を迎えるハタハタの脂の乗った身と、パラパラのおからが織りなす独特の食感が魅力。

呉和え/なすのずんだ和え
「ご」とはゆでた大豆をすり鉢で潰した衣のこと。雪深い日南町で、草木灰だけの貧しい畑から生まれた知恵の味。枝豆の旬に緑色鮮やかな一皿となる。

がんちゃ汁
石臼でカニを粉々に搗くという荒々しい伝統製法から生まれる、ふわふわと浮かぶカニの身が特徴の汁物。モクズガニの全身を余すところなく味わう鳥取の知恵料理である。