
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ふきの煮付けは、ふきをだし汁で煮た愛知県の郷土料理である。主に「愛知早生ふき」が用いられ、その太い茎はシャキシャキとした独特の食感が魅力である。主な伝承地域は知多半島で、明治中頃に東海市で発見されたこの品種は、葉の伸びが早く香りも良いことから周辺に広まった。昭和以降は愛知用水の完成により安定生産が可能となり、全国トップクラスの産地となった。春の訪れを告げる味として、2月から5月に収穫される「春ふき」が出回ると家庭でよく作られる。味付けは各家庭で異なり、味噌を加えるアレンジも見られる。
由来・歴史
ふきは平安時代から食べられていたが、現在流通する多くは愛知県の伝統野菜「愛知早生ふき」である。明治中頃に東海市で発見され、葉の伸びが早く茎が太く香りが良いことから知多半島を中心に広まった。当地は大きな河川がなく農業に課題があったが、昭和に入り愛知用水が完成すると安定生産が可能となった。
食べ方
生のふきは塩で板ずりし、熱湯で数分間煮こぼしてアク抜きを行い、流水で冷やして筋取りをする。下処理後、4cm程度に切ったふきをだし汁で煮付けて食べる。味噌を加えるアレンジもある。春のふきが出回る時期に家庭で作られ、各家庭で味付けが異なる。
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産地
煮物の名物

古たくあんの煮物
「贅沢煮」という愛称も持つ福井県の定番郷土料理。酸っぱくなった古漬けのたくあんを、出汁と醤油で煮込んで生まれ変わらせる知恵が詰まっている。

がめ煮
「がめくりこむ」(寄せ集める)の博多方言が名前の由来で、文禄の役の兵士がスッポンとありあわせの材料を煮込んだのが始まりとされる。鶏肉に変わりながらも、福岡の正月やお祝い事に欠かせない味として受け継がれている。

ごりの佃煮
琵琶湖の小魚「ゴリ」を佃煮にした滋賀県の名物。かつては家庭の味として親しまれたが、近年は漁獲量減少により高級食材へと変貌している。

エイの煮こごり
ゼラチン質がゼリー状に固まることから「煮こごり」と呼ばれる、奈良のハレの日の定番料理。赤エイを甘辛く煮つけ、冷やして食べる。

小豆雑煮
出雲の神在祭で振る舞われた「神在餅」が「ぜんざい」の語源ともいわれる、あっさり甘さの小豆雑煮。元旦の「すまし雑煮」と並び、島根の正月を彩る二つの雑煮の一つである。

小豆雑煮
古来より邪気を払う力があるとされた小豆の赤色を用いた、鳥取の正月の主役。甘い煮汁に柔らかく煮た丸餅を浮かべ、おせちの塩気との絶妙なバランスが特徴である。
愛知県の名物

ふな味噌
骨まで柔らかく煮詰めたフナを、愛知の豆味噌で仕上げる保存食。寒ブナの旬を閉じ込めた、木曽三川流域の冬の味覚である。

ふろふき大根
曹源寺の「大根炊き」で振る舞われる縁起物。愛知県産の大根をだし汁で煮込み、濃厚な豆味噌の練り味噌をのせた、寒い季節に体を温める郷土料理である。

五平餅
木こりや狩人が山の講の前夜に食べた携帯食がルーツ。うるち米を潰して串に刺し、味噌ダレを塗って焼く独特の食べ方は、中部山間部に広がる「御幣」の形にちなんだ名物料理である。

あらめと落花生の煮付
昆布の一種・アラメと落花生を甘辛く煮つめた東三河の常備菜。海と山の恵みを組み合わせた、渥美半島独特の食文化が詰まった一皿である。

あぶらげずし/いなりずし
歌舞伎『助六』にちなむ「助六」発祥の地でもあり、豊川稲荷の門前町では江戸時代後半から参拝客に振る舞われてきた。油揚げの甘辛い味付けと酢飯の組み合わせが、愛知県内で今日も幅広く親しまれている郷土のすしである。

箱ずし
四角い木枠で押し固めた愛知の「切りずし」は、具材を斜めに配置する工夫で皆が平等に味わえるよう配慮された祝いの料理である。かつては贅沢品とされ、木枠を持つ家庭も多かった。