
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
フナと大豆、豆味噌を5時間以上じっくり煮詰め、骨まで柔らかくした保存食である。尾張地域と木曽三川流域を中心に伝承され、濃尾平野の豊かな水産資源と八丁味噌などの長期熟成型豆味噌の文化が融合した料理である。12月後半から1月の寒ブナの旬に特に食べられ、脂がのったメスの子持ちフナが珍重される。家庭ごとにごぼうや根菜を加えたり、番茶やしょうがで臭みを消すアレンジがあり、ごはんのおかずや酒の肴として長く楽しむ。現代では圧力鍋を使った時短調理も行われ、保存食としての利便性も維持されている。
由来・歴史
木曽三川下流はフナやコイ、ボラに恵まれた水産地であり、古くから川魚料理が発達した。愛知県を代表する長期熟成型の豆味噌(赤味噌)と結びつき、川魚の臭みを消しつつ旨味を引き出す調理法として「ふな味噌」が生まれた。八丁味噌をはじめとする豆味噌は最低1年、長くは2〜3年の熟成を要し、その濃厚なコクと酸味がフナと相性をなす。
食べ方
鍋に大豆を敷きフナを載せ、5時間以上弱火で煮た後、豆味噌と砂糖のタレを加えてさらに煮詰める。骨が柔らかくなるまでじっくり火を通すことがポイントで、圧力鍋を使えば時短も可能である。12月後半から1月の寒ブナの旬に作られ、ごはんに乗せたり酒の肴にしたりして食べる保存食である。
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産地
愛知県の名物

ふろふき大根
曹源寺の「大根炊き」で振る舞われる縁起物。愛知県産の大根をだし汁で煮込み、濃厚な豆味噌の練り味噌をのせた、寒い季節に体を温める郷土料理である。

五平餅
木こりや狩人が山の講の前夜に食べた携帯食がルーツ。うるち米を潰して串に刺し、味噌ダレを塗って焼く独特の食べ方は、中部山間部に広がる「御幣」の形にちなんだ名物料理である。

箱ずし
四角い木枠で押し固めた愛知の「切りずし」は、具材を斜めに配置する工夫で皆が平等に味わえるよう配慮された祝いの料理である。かつては贅沢品とされ、木枠を持つ家庭も多かった。

ふきの煮付け
シャキシャキとした太い茎が特徴の「愛知早生ふき」を使った煮付け。明治中頃に東海市で発見されたこの品種は、知多半島を中心に全国トップクラスの生産量を誇り、春の訪れを告げる味として親しまれる。

あらめと落花生の煮付
昆布の一種・アラメと落花生を甘辛く煮つめた東三河の常備菜。海と山の恵みを組み合わせた、渥美半島独特の食文化が詰まった一皿である。

あぶらげずし/いなりずし
歌舞伎『助六』にちなむ「助六」発祥の地でもあり、豊川稲荷の門前町では江戸時代後半から参拝客に振る舞われてきた。油揚げの甘辛い味付けと酢飯の組み合わせが、愛知県内で今日も幅広く親しまれている郷土のすしである。