
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「須古ずし」は、塩と根昆布で炊いた米に合わせ酢を混ぜ、「もろふた」と呼ばれる木箱に詰めた押し寿司である。ムツゴロウのかば焼きをはじめ、タケノコや奈良漬、錦糸卵、甘辛く煮たシイタケ・ゴボウ・ニンジンなどをこんもりとのせ、三つ葉や紅ショウガを飾る。有明海に面し、中世以来の干拓事業で造成された白石平野は米の産地として知られ、須古地区の「すし米」は全国に名声を博した。祭りや寺院へのお参り、嫁いだ娘の里帰りなど祝いの場で客人に振る舞われてきた。具材は季節や家庭で異なり、近年はムツゴロウが入手困難なためエビやコノシロ、鰻で代用することもある。
由来・歴史
須古ずしの起源は500年以上前に遡る。白石町須古地区の領主が領民を大切にし、米の品質改良に尽力した結果、「すし米」「酒造米」が全国で評判となった。領民はその愛情に感謝し、地元の海の幸と山の幸を使って寿司を作り献上した。これが「須古ずし」と呼ばれるようになり、母から子へと脈々と受け継がれてきた。
食べ方
米を塩と根昆布で炊き、合わせ酢を加えて「もろふた」の木箱に詰める。四角形に切り目を入れ、タケノコ・奈良漬・ムツゴロウのかば焼き・錦糸卵・煮しめ野菜などをのせ、三つ葉や紅ショウガを飾って完成させる。ヘラで切り分けて食べる。本来はムツゴロウを用いるが、エビやコノシロ、鰻でも代用可能である。地元の祭りや祝い事、寺院参拝の際などに客人に提供される。
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産地
寿司の名物

押し寿司(もろぶた寿司)
室町時代の武将・大村純伊の凱旋を祝って生まれたとされる押し寿司。浅い木箱「もろぶた」を使い、シャリで具を挟む形が武士の精神を反映するという独自の伝承も残る。

大村寿司/大村寿し
室町時代、領地奪還を祝うため領民が作った「勝ち戦の寿司」。食器不足を補うため浅い木箱に詰め、兵士は脇差しで切り分けて食べたという逸話が残る大村市の祝い料理である。

あぶらげずし/いなりずし
歌舞伎『助六』にちなむ「助六」発祥の地でもあり、豊川稲荷の門前町では江戸時代後半から参拝客に振る舞われてきた。油揚げの甘辛い味付けと酢飯の組み合わせが、愛知県内で今日も幅広く親しまれている郷土のすしである。

押し寿司
割った瞬間に色とりどりの煮物が顔を出す「押し寿司」は、徳島県海陽町・牟岐町のサプライズ郷土料理。白いごはんの中に隠された具材のコントラストが、祝い事を華やかに彩る。

ボウゼの姿寿司
秋祭りの行事食として、魚の形をそのまま残す「姿寿司」は徳島ならではの見事な技。かつて高級魚とされたボウゼを使い、背開きにした身ですし飯を包む。

金時豆入りばら寿司
米の代わりに具材をたっぷり混ぜた「ばら寿司」は、徳島の知恵が生んだ華やかな郷土料理。金時豆の甘煮と旬の食材を酢飯に和え、お祭りや節句に親しまれてきた。
佐賀県の名物

のっぺ汁
片栗粉でとろりとした濃度をつける「のっぺ」の名がつく、佐賀の根菜たっぷり汁物。冠婚葬祭で具材を変えて食べられ、祝いには鶏肉やあずき、仏事には花麩を入れる風習がある。

煮ごみ
「煮じゃあ」「煮じゃー」とも呼ばれる煮ごみは、くんちの供日料理として欠かせない一品。栗おこわの残りの栗と小豆、煮しめの端材を無駄にしない知恵から生まれた、根菜と鶏肉の甘辛煮込みである。

がめ煮
すっぽんを「川亀」と呼んだことに由来する「がめ煮」。豊臣秀吉の朝鮮出兵時に大軍の食糧として誕生したと伝わる、佐賀のハレの日の定番料理である。

お茶がい/茶がゆ
幕末、佐賀藩主の質素倹約令が生んだ米節約術。出がらしの番茶で炊く素朴な粥は、茶の味が染み込みさっぱりとした後味が特徴である。

だぶ
「ざぶざぶ」煮ることから名付けられた佐賀・福岡の郷土料理。冠婚葬祭で振る舞われ、慶弔によって具材の切り方や味付けが異なるのが特徴である。

にいもじ
「にいもじ」はミズイモを酢で漬けた佐賀の夏の定番常備菜。冷蔵庫で1週間保存でき、お盆のお供えやお祭りの接待にも用いられる。シャキシャキの歯ざわりと酸味が暑い季節の食欲をそそる。