
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ボウゼの姿寿司は、背開きにしたボウゼの身ですし飯を包み、押し寿司に仕上げる郷土料理である。ボウゼはイボダイ・ウボゼ・シズなどと呼ばれる白身魚で、身が引き締まっており姿寿司に適している。主に徳島県で作られ、夏から秋にかけて新鮮なボウゼが手に入りやすい環境が背景にある。秋祭りの行事食として供され、赤飯やかきまぜ寿司とともに振る舞われてきた。近年はボウゼの漁獲量減少によりサバやサンマで作られることも増え、家庭によっては切り身を握り寿司にする「ボウゼのにぎり」として食べる形も残る。
由来・歴史
秋祭りの時季、徳島では魚をそのままの形で残して寿司にする「姿寿司」が古くから食べられてきた。ボウゼは徳島の方言による名前で、かつては高級魚として扱われていた。ボウゼ自体は全国で焼き物や煮魚として食べられるが、姿寿司として食べるのは新鮮なボウゼが手に入りやすい徳島県ならではの食文化である。
食べ方
ボウゼを背開きし、骨・えら・目玉・血合いを取り除いて塩を振り30分~1時間置く。酢に漬けてさらに1時間置いた後、すし飯をボウゼの大きさに合わせて握り、ボウゼで包んで押し寿司に仕上げる。すし飯にはすだちやゆずを使うこともあり、仕上げの重しで一日以上押すと味がなじむ。秋祭りの行事食として供されるほか、切り身を握り寿司にする「ボウゼのにぎり」としても食べられる。
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産地
寿司の名物

押し寿司
割った瞬間に色とりどりの煮物が顔を出す「押し寿司」は、徳島県海陽町・牟岐町のサプライズ郷土料理。白いごはんの中に隠された具材のコントラストが、祝い事を華やかに彩る。

須古ずし
500年以上前、領民が領主への感謝を込めて献上した「須古ずし」。ムツゴロウのかば焼きを贅沢にのせた箱ずしは、今も佐賀県白石町のお祝い事に欠かせない名物である。

押し寿司(もろぶた寿司)
室町時代の武将・大村純伊の凱旋を祝って生まれたとされる押し寿司。浅い木箱「もろぶた」を使い、シャリで具を挟む形が武士の精神を反映するという独自の伝承も残る。

金時豆入りばら寿司
米の代わりに具材をたっぷり混ぜた「ばら寿司」は、徳島の知恵が生んだ華やかな郷土料理。金時豆の甘煮と旬の食材を酢飯に和え、お祭りや節句に親しまれてきた。

岩国寿司
「殿様寿司」の異名を持つ岩国の押し寿司は、江戸時代に岩国藩主・吉川公に献上されて喜ばれたと伝わる。錦帯橋の街・岩国の城下町文化が生んだ、3〜5段に重ねた華やかな祝い料理である。

うの花きずし/唐ずし
おからをシャリ代わりに使う山口県北部の独特な寿司。イワシを酢で締めて巻きつけ、価格が安く保存にも利く庶民の知恵が詰まった名物である。
徳島県の名物

いももち
鳴門市に19世紀後半にさつまいもが伝わった頃から親しまれる餅菓子。砂糖が高級品だった時代、甘くて腹持ちの良いさつまいもが庶民の貴重な甘味として重宝された。

島そうめん
れんこ鯛の煮汁をめんつゆ代わりに使う独創的なそうめん。出羽島の漁獲物を余すところなく味わう知恵が詰まっている。

阿波のいとこ煮
戦時中は砂糖なしで作られた甘煮が、今や徳島の冬の風物詩に。干し芋の凝縮された甘みと小豆の優しい味わいが、寒い季節の体と心を温める。

伊勢エビの味噌汁
出荷できなくなった「あがり」と呼ばれる伊勢エビを惜しみなく使う、徳島の漁師家庭に伝わる贅沢な味噌汁。高級食材を豪快にぶつ切りにして、身とだしを余すところなく味わう。

ゆずかん
国のGI保護制度に登録された「木頭ゆず」を丸ごと味わうゼリー。皮・実・果汁を余さず使い、半分に切ったゆずを器にする華やかなデザートである。

でんぶ
「まめに働いて暮らせるように」という願いを込めて正月に食べられる金時豆の煮物。高価な食材を使わない貧しさを越えた祝いの知恵が詰まっている。