
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
岩国寿司は、酢漬けの岩国れんこん、錦糸卵、しいたけ、でんぶ、アナゴの煮付け、伝統野菜チシャなどを用いた豪華な押し寿司である。一段に1升の寿司飯を詰め、3〜5段に重ねて木製の枠と蓋で押し固める。山口県岩国市は吉川藩6万石の城下町として栄え、錦帯橋をシンボルとする歴史・文化遺産に富む土地である。藩政時代から祝いの席や献上品として作られてきた。料亭では白足袋姿の料理人が蓋の上に片足をかけて枠を引き抜く伝統的な仕上げ方を行う一方、家庭では弁当箱や牛乳パック、ケーキ型などで代用する工夫も見られる。
由来・歴史
江戸時代、岩国藩主・吉川公に献上して喜ばれたことから「殿様寿司」とも呼ばれる。山の上の城へ運搬しやすい食べ物として、特産の岩国れんこんの酢漬けや城下町らしい食材を使った押し寿司が考案された。祝い品や献上品としての伝統は現在も継承されている。
食べ方
寿司枠の底にチシャの葉を敷き、すり身を混ぜた寿司飯を詰めて錦糸卵・しいたけ・でんぶ・岩国れんこんの酢漬けなどで彩り、さらにチシャの葉を敷いて段を重ねる。最後に木の蓋を乗せて重しをかけ、大きなものは職人が押し蓋の上に乗って押し固めることもあった。藩政時代から祝いの席に出される伝統料理である。
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産地
寿司の名物

金時豆入りばら寿司
米の代わりに具材をたっぷり混ぜた「ばら寿司」は、徳島の知恵が生んだ華やかな郷土料理。金時豆の甘煮と旬の食材を酢飯に和え、お祭りや節句に親しまれてきた。

ボウゼの姿寿司
秋祭りの行事食として、魚の形をそのまま残す「姿寿司」は徳島ならではの見事な技。かつて高級魚とされたボウゼを使い、背開きにした身ですし飯を包む。

押し寿司
割った瞬間に色とりどりの煮物が顔を出す「押し寿司」は、徳島県海陽町・牟岐町のサプライズ郷土料理。白いごはんの中に隠された具材のコントラストが、祝い事を華やかに彩る。

うの花きずし/唐ずし
おからをシャリ代わりに使う山口県北部の独特な寿司。イワシを酢で締めて巻きつけ、価格が安く保存にも利く庶民の知恵が詰まった名物である。

えび粉/巻き寿司
「えび粉」はアカエビの殻をむいて叩き、甘く炒りつけた広島の寿司種。包丁で細かくするかすり鉢で擦るかで家庭ごとの違いがあり、巻き寿司の彩りと甘みを担う。

角寿司
木枠に詰めて押し出すと四角い寿司が一度に6〜8個完成する。昭和30年代には各家庭に型枠が常備され、祝いの席では隣近所へ木箱に入れて配る風習があった。
山口県の名物

茶がゆ
江戸時代に岩国藩主・吉川公が米の節約のために奨励した「茶がゆ」。ほうじた番茶を専用の鉄釜「鑵子」で煮出し、サラリとした口当たりに仕上げる。夏は冷やして、冬は温かく食べる風流な庶民食である。

つしま
朝鮮通信使を案内した櫛ヶ浜の漁師が創ったとされる山口県周南市の郷土料理。豆腐と干ししいたけ、野菜を煮て和えた日持ちする保存食で、対馬藩にちなみ「つしま」と名付けられた。

大平
直径50cmの大きな蓋付き漆器「大平」に盛り付けることから名付けられた岩国の祝い料理。豪華な岩国寿司と並んで冠婚葬祭の席に欠かせない、汁多めの煮物である。

わかめむすび
江戸時代、参勤交代の侍が刻みわかめをご飯にふりかけた姿を、宿の女中が「茶殻をかけて食べる」と驚いたという逸話を持つ。日本海の春の風物詩・干しわかめをまとわせた朴訥なおむすびは、今も山口の故郷の味として親しまれる。

瓦そば
昭和36年(1961年)に川棚温泉の旅館が生み出した「瓦そば」。西南戦争で薩摩兵が瓦で肉を焼いた話と、江戸時代から庶民に許された「瓦」の地縁が結びつき、全国に名を轟かせた山口のソウルフードである。

いとこ煮
「遺徳煮」とも書かれる由緒正しい行事料理。萩では澄んだ汁にシイタケやかまぼこを配した冷たい汁物仕立てとなり、祝い事には紅白玉、仏事には白や緑の団子を入れる。