
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
伊勢エビのだしと身を味わう味噌汁で、生きたままの伊勢エビを縦半分に切ってぶつ切りにし、砂袋や背ワタを取って豪快に使用する。玉ねぎやわかめを具材とし、白味噌で仕立てるのが一般的だが、赤味噌や合わせ味噌、ゆでたそば米を加えるなど家庭ごとにアレンジが見られる。徳島県南部の浅瀬で「小網」と呼ばれる刺し網漁で捕獲される伊勢エビは、水深5〜20mの漁場で海が荒れる時季に豊漁となる。9月の「お小網のくちあき」から翌年5月までの漁期に食べられ、南部ではこの時季に伊勢エビ祭りが開かれ、味噌汁の無料提供も行われる。産卵期の5月から9月は漁が禁じられ、旬の時期にしか味わえない貴重な一品として親しまれている。
由来・歴史
伊勢エビは一般的に高級食材として知られるが、この味噌汁はひげや足が取れて出荷できなくなった「あがり」と呼ばれる伊勢エビを家庭料理として継承してきた珍しい例である。生きたまま豪快に切り分け、だしと身を余すところなく味わう漁師の知恵が息づく。たんぱく質が豊富で低カロリーなため、体に優しい料理として徳島県民に広く親しまれてきた。
食べ方
伊勢エビは水から煮てだしを取り、味噌を加えてひと煮たちさせ、仕上げにネギを散らす。玉ねぎやわかめを具材とし、白味噌が一般的だが赤味噌や合わせ味噌を用いる家庭もある。ゆでたそば米を加えて食べることもある。9月の「お小網のくちあき」から翌年5月までの漁期に食べられ、徳島県南部ではこの時季に伊勢エビ祭りが行われ、味噌汁が無料提供されることもある。
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産地
汁物の名物

つんきーだご汁
武雄弁で「ちぎる」を意味する「つんきー」が名の由来。手でちぎった小麦のだんごを、旬の野菜と煮込んだ佐賀の汁物で、寒い日の体を温める郷土料理である。

わらすぼのみそ汁
「エイリアン」のような見た目の有明海の珍魚・ワラスボを使った味噌汁。凶暴な性格から「嫁泣かせ」と呼ばれたこの魚は、独特のうまみがクセになる地元の夏の味である。

のっぺ汁
片栗粉でとろりとした濃度をつける「のっぺ」の名がつく、佐賀の根菜たっぷり汁物。冠婚葬祭で具材を変えて食べられ、祝いには鶏肉やあずき、仏事には花麩を入れる風習がある。

そば米雑炊/そば米汁
源平合戦で敗れた平家が祖谷に伝えたという、そばの実を丸ごと使った稀有な雑炊。ふくらんだそば米が主食となり、野菜や肉とともに煮込む栄養満点の一品である。

お嫁さん団子汁
出産した女性に贈られる「おごうさん」と呼ばれるお嫁さんのための汁物。男の子には繭形、女の子には丸形の団子を入れる風習があり、母乳がよく出るようにとの願いが込められている。

ぐべ汁
「ぐべ」とは「嫁が笠」とも呼ばれる直径2〜3cmのカサガイの仲間で、対馬暖流に恵まれた見島の磯で採れる貴重な食材である。濃厚な磯の風味が堪能できる味噌汁は、島の朝食には欠かせない名物となっている。
徳島県の名物

ボウゼの姿寿司
秋祭りの行事食として、魚の形をそのまま残す「姿寿司」は徳島ならではの見事な技。かつて高級魚とされたボウゼを使い、背開きにした身ですし飯を包む。

いももち
鳴門市に19世紀後半にさつまいもが伝わった頃から親しまれる餅菓子。砂糖が高級品だった時代、甘くて腹持ちの良いさつまいもが庶民の貴重な甘味として重宝された。

島そうめん
れんこ鯛の煮汁をめんつゆ代わりに使う独創的なそうめん。出羽島の漁獲物を余すところなく味わう知恵が詰まっている。

ゆずかん
国のGI保護制度に登録された「木頭ゆず」を丸ごと味わうゼリー。皮・実・果汁を余さず使い、半分に切ったゆずを器にする華やかなデザートである。

でんぶ
「まめに働いて暮らせるように」という願いを込めて正月に食べられる金時豆の煮物。高価な食材を使わない貧しさを越えた祝いの知恵が詰まっている。

茶ごめ
武家屋敷の食事から農家の労働食へと姿を変えた茶色い甘いごはん。ざらめ糖の甘味が農作業で疲れた体を癒やした。