
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
そば米雑炊は、そばの実を塩ゆでして殻をむき乾燥させた「そば米」を、鶏肉・こんにゃく・にんじん・干ししいたけなどとともにだしで煮込む雑炊である。ゆでると4倍以上にふくらんだそば米が主食となり、しょうゆで味付けした汁物として食べる。主な伝承地域は三好市祖谷地域であり、山々に囲まれ米作に不向きな気候の地で、栽培期間の短いそばが平家の落人により定着した歴史を持つ。正月やご馳走として食べられてきたが、現在は県内スーパーで気軽に購入でき、家庭ごとに具材やだしを変えて親しまれている。
由来・歴史
祖谷地方は山に囲まれ米作が困難な地であり、源平合戦で敗れた平家の落人が当地に移住した際、米の代わりに栽培期間の短いそばを定着させたとされる。そばの実を粉にせず丸ごと食べる文化は全国的に珍しく、祖谷に伝わる独特の食習である。
食べ方
そば米を塩ゆでして殻をむき、鶏肉・こんにゃく・にんじん・干ししいたけなどを煮込んだだし汁に加え、しょうゆで味付けして食べる。具材は大根・ちくわなど家庭ごとにアレンジされ、だしも干ししいたけ・鶏がら・昆布・かつお節など多様である。正月や特別な機会に作られることも多いが、現在は日常の食卓にも登場する。
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産地
そばの名物

祖谷そば
源平合戦の落人伝説が残る祖谷のソウルフード。つなぎを使わず地元そば粉100%で打つため、麺が短く切れやすく「そばきり」とも呼ばれる独特の食感が特徴である。

対州そば
縄文時代に朝鮮半島経由で伝来し、離島ならではの環境で原種の特徴を守り続けた日本最古級のそば。2018年には日本のそばで初めて国のGI保護制度に登録された。

沖縄そば
そば粉を使わないのに「そば」と呼ばれる沖縄の国民食。1976年の商標登録を巡る闘いの末、10月17日は「沖縄そばの日」として定着した。

瓦そば
昭和36年(1961年)に川棚温泉の旅館が生み出した「瓦そば」。西南戦争で薩摩兵が瓦で肉を焼いた話と、江戸時代から庶民に許された「瓦」の地縁が結びつき、全国に名を轟かせた山口のソウルフードである。

そばどじょう鍋
そば粉をどじょうのような細長い形にして鍋に入れる、岡山県山間地の冬の名物料理。川魚のだし汁で煮込み、体を芯から温める。

けんちんそば
江戸時代から続く新見市の冬の知恵。「けんちん」とは千切りの材料を油で炒めて巻くことで、鶏がらスープのけんちん汁を手打ちそばにかけて食べる。
徳島県の名物

いり飯/いりこ飯
「いり(いりこ)」はちりめんのこと。100年以上続く徳島の郷土料理は、昔はちりめんのみのシンプルな混ぜご飯として親しまれ、今は具材を加えたバリエーション豊かな逸品に発展した。

金時豆入りばら寿司
米の代わりに具材をたっぷり混ぜた「ばら寿司」は、徳島の知恵が生んだ華やかな郷土料理。金時豆の甘煮と旬の食材を酢飯に和え、お祭りや節句に親しまれてきた。

うちがえ雑煮
餅の代わりに硬い豆腐を重ねる、祖谷地方の個性派雑煮。岩豆腐が武士の刀を「打ち違え」たように見えることから名付けられた。

ならえ
「奈良漬け」が訛って生まれた名前を持つ、徳島の七色精進料理。甘酸っぱい三杯酢で和えた野菜たちは、物資が乏しかった時代の子どもたちにとって特別なおやつのような存在だった。

ゆべし
「木頭ゆず」の皮を砂糖と醤油で煮詰めた保存食。甘辛い味わいは酒のつまみやお茶漬けの具にもなる。砂糖が貴重だった時代は贅沢品として秋から春の副菜として重宝された。

おみいさん
「おみいさん」は、みそを「みい」と呼んだ時代の敬称が名前の由来。米が貴重だった徳島で、小米や冷や飯を使い野菜をたっぷり加えた腹持ちの良いみそ雑炊として親しまれてきた。