
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
おみいさんは、みそで味付けした雑炊であり、里芋・大根・大根の葉などの根菜類を細かく切って煮込む。いりこだしを使い、みそは塊のまま散らして焦げないよう蒸らすのが特徴的な調理法である。主に徳島県で伝承され、米作りが困難な土壌でそばや麦が主食だった当地では、米を食べる際に野菜を加えて量をかさ増しする知恵が生まれた。冬の時季に体を温める家庭料理としてよく食べられ、病気で体調不良の際に家族が作る心休まる料理としても重宝された。各家庭でニラ・豆腐・みそなどの具材を変え、個性豊かにアレンジされる。現代では経済的で栄養価の高い素朴な郷土料理として、食べ物を残さない工夫の象徴として語り継がれている。
由来・歴史
「おみいさん」の名称は、みそを「みい」と呼称していた時代の名残である。尊敬語の「お」と呼びかけの「さん」を付け加えた呼び方が定着した。徳島は米作に不向きな土地柄で、小米や冷や飯を無駄にしないための知恵として発達。野菜を多く加えて腹持ちを良くする工夫が、当地の食文化を反映している。
食べ方
里芋・大根・大根の葉を細かく切り、いりこだしで煮立てた鍋に洗った米を入れる。沸騰後は弱火にし、みそを塊のまま鍋全体に散らして30分ほど蒸らす。混ぜると焦げるため、そのまま放置するのがコツ。特に冬に体を温めるための日常食として食べられ、みそ汁の残りや冷や飯を活用して食べ物を残さない工夫が盛り込まれている。
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産地
徳島県の名物

茶ごめ
武家屋敷の食事から農家の労働食へと姿を変えた茶色い甘いごはん。ざらめ糖の甘味が農作業で疲れた体を癒やした。

でんぶ
「まめに働いて暮らせるように」という願いを込めて正月に食べられる金時豆の煮物。高価な食材を使わない貧しさを越えた祝いの知恵が詰まっている。

ゆずかん
国のGI保護制度に登録された「木頭ゆず」を丸ごと味わうゼリー。皮・実・果汁を余さず使い、半分に切ったゆずを器にする華やかなデザートである。

ゆべし
「木頭ゆず」の皮を砂糖と醤油で煮詰めた保存食。甘辛い味わいは酒のつまみやお茶漬けの具にもなる。砂糖が貴重だった時代は贅沢品として秋から春の副菜として重宝された。

ならえ
「奈良漬け」が訛って生まれた名前を持つ、徳島の七色精進料理。甘酸っぱい三杯酢で和えた野菜たちは、物資が乏しかった時代の子どもたちにとって特別なおやつのような存在だった。

うちがえ雑煮
餅の代わりに硬い豆腐を重ねる、祖谷地方の個性派雑煮。岩豆腐が武士の刀を「打ち違え」たように見えることから名付けられた。