
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大根、にんじん、油揚げ、ごま、れんこん、干ししいたけ、こんにゃくの7種を三杯酢で和えた精進料理である。徳島県を中心とした四国地方で伝承され、特に美馬町では祝い事の際に味噌汁・お平・白和え・魚とともに供される風習があった。法事や彼岸といった仏事の場で重んじられ、甘いものが貴重だった時代には子どもたちが振る舞いを楽しみにする一品でもあった。家庭では七つの基本食材に加え、たけのこ、きゅうり、みょうが、三つ葉、豆腐、昆布など旬の野菜を取り入れるアレンジが一般的で、現在も学校給食や介護施設の献立に採用されるなど、日常的な食文化として継承されている。
由来・歴史
名称の由来には諸説ある。一説に七つの食材を使うことから「七(なな)」が訛ったともされるが、より有力な説は「奈良漬け」が由来とするものである。本来は野菜の塩漬けや酒粕漬けを含んだ料理だったが、徳島ではこれを「奈良和え」「ならえ」と呼称するようになり、現在の酢の物へと変化した。大化の改新の頃(645年)にすでに存在した精進料理の一つとされ、昭和40年頃まで特に盛んに食べられていた。
食べ方
干ししいたけの戻し汁で野菜と油揚げを煮て水気を切り、白ごま・酢・柚子酢・砂糖・しょうゆの合わせ酢で和え、しばらく味をなじませて食べる。法事や彼岸、祝い事など仏事・慶事の場で供される伝統的な食習慣があったが、現在は家庭料理として手軽に作られ、学校給食や介護食としても定着している。
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産地
徳島県の名物

ゆべし
「木頭ゆず」の皮を砂糖と醤油で煮詰めた保存食。甘辛い味わいは酒のつまみやお茶漬けの具にもなる。砂糖が貴重だった時代は贅沢品として秋から春の副菜として重宝された。

おみいさん
「おみいさん」は、みそを「みい」と呼んだ時代の敬称が名前の由来。米が貴重だった徳島で、小米や冷や飯を使い野菜をたっぷり加えた腹持ちの良いみそ雑炊として親しまれてきた。

茶ごめ
武家屋敷の食事から農家の労働食へと姿を変えた茶色い甘いごはん。ざらめ糖の甘味が農作業で疲れた体を癒やした。

うちがえ雑煮
餅の代わりに硬い豆腐を重ねる、祖谷地方の個性派雑煮。岩豆腐が武士の刀を「打ち違え」たように見えることから名付けられた。

金時豆入りばら寿司
米の代わりに具材をたっぷり混ぜた「ばら寿司」は、徳島の知恵が生んだ華やかな郷土料理。金時豆の甘煮と旬の食材を酢飯に和え、お祭りや節句に親しまれてきた。

いり飯/いりこ飯
「いり(いりこ)」はちりめんのこと。100年以上続く徳島の郷土料理は、昔はちりめんのみのシンプルな混ぜご飯として親しまれ、今は具材を加えたバリエーション豊かな逸品に発展した。