
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ゆずの外皮を細かく刻み、砂糖と醤油で粘りが出るまで煮詰めた甘辛い保存食である。徳島県那賀町は全国2位のゆず産地で、昼夜の寒暖差が大きい気候が「木頭ゆず」の大玉・高品質な特徴を育んでいる。国の地理的表示保護制度にも登録されたこの名産を、11月の完熟期に収穫後の搾汁済み果皮で作るのが風習である。秋から春にかけて野菜が乏しい時期の副菜として欠かせず、鮎の干物と合わせて食べることもあった。砂糖の使用量が多いため、かつては頻繁には作れない贅沢品だったが、昭和30年代以降に上勝などで普及し、家庭ごとに味付けの違いが生まれた。現在はそのままおかずとしてだけでなく、酒のつまみやお茶漬けの具としても親しまれている。
由来・歴史
徳島のゆべしは、江戸時代から京都や愛媛で銘菓として売られているものとは異なり、あくまで那賀町相生地区を中心とした副食物として発展した。砂糖が家庭で多用されるようになった昭和30年代に上勝で食べられ始め、昭和50年代にはさらに盛んに作られるようになったという。
食べ方
ゆずの皮を細かく刻み、天日干しして保存しておいたものはふやかしてから使用する。鍋にたっぷりの水を入れて冷たい状態から煮立て、沸いたら水を替える工程を繰り返してアクを抜く。その後砂糖と醤油を加え、粘り気が出るまでじっくり煮詰める。11月頃のゆず完熟期に作り、果汁搾取後の皮を活用して保存する。秋から春の野菜不足期に副菜として食べ、鮎の干物と合わせることもある。
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産地
徳島県の名物

おみいさん
「おみいさん」は、みそを「みい」と呼んだ時代の敬称が名前の由来。米が貴重だった徳島で、小米や冷や飯を使い野菜をたっぷり加えた腹持ちの良いみそ雑炊として親しまれてきた。

茶ごめ
武家屋敷の食事から農家の労働食へと姿を変えた茶色い甘いごはん。ざらめ糖の甘味が農作業で疲れた体を癒やした。

でんぶ
「まめに働いて暮らせるように」という願いを込めて正月に食べられる金時豆の煮物。高価な食材を使わない貧しさを越えた祝いの知恵が詰まっている。

ならえ
「奈良漬け」が訛って生まれた名前を持つ、徳島の七色精進料理。甘酸っぱい三杯酢で和えた野菜たちは、物資が乏しかった時代の子どもたちにとって特別なおやつのような存在だった。

うちがえ雑煮
餅の代わりに硬い豆腐を重ねる、祖谷地方の個性派雑煮。岩豆腐が武士の刀を「打ち違え」たように見えることから名付けられた。

金時豆入りばら寿司
米の代わりに具材をたっぷり混ぜた「ばら寿司」は、徳島の知恵が生んだ華やかな郷土料理。金時豆の甘煮と旬の食材を酢飯に和え、お祭りや節句に親しまれてきた。