
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小豆の餡をもち米や米粉の皮で包み、着色したもち米の粒を天面に載せて蒸し上げた和菓子である。皮のもちもちとした食感と、上に散らばる米粒の食感の対比が特徴的で、餡は粒あんとこしあんの二種類が店舗によって使い分けられている。主に広島県呉市で伝承されており、米が貴重だった土地の歴史や、東北からの移住者の郷愁など、複数の発祥説が残る。亀山神社の例大祭や小祭りといった秋の祭礼期に菓子店や屋台で販売され、蒸したてを味わう機会もある。山形県など他地域との比較で、呉ではピンクや緑など華やかな着色が施される点が異なり、家庭や店舗によるバリエーションも見られる。
由来・歴史
名称の由来については、栗のイガに形状が似ていることからという説のほか、旅の僧侶が食して胃病が治ったことから「胃が持つ(治る)」と呼ばれたという語呂合わせの説など、複数の伝承が存在する。発祥についても、田畑の少ない呉で米を節約しつく発想から生まれたとする説や、東北出身者が故郷を偲んで製作を始めたとする説など、諸説が並ぶ。東北から中国・四国にかけて広く分布する菓子であり、山形県では五穀豊穣を祈る儀式由来で黄色のみの着色に対し、呉ではより多彩な色使いが特徴となっている。
食べ方
もち米や米粉で練った皮に小豆の餡を包み、食用色素で紅・黄・緑などに染めたもち米の粒を表面に散らして蒸籠で蒸す。餡の種類は店によって粒あんかこしあんかが異なる。主に毎年9月頃の亀山神社例大祭や小祭りといった秋祭りの時期に、市内の菓子店や神社境内の屋台で入手でき、蒸し立ての状態で食されることが多い。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
餅の名物

柏餅
柏餅は山口県で「ほてんどもち」「いぎの葉もち」など多くの別名で親しまれる端午の節句の菓子。サルトリイバラの葉を使うことに「家系が絶えない」という縁起が込められ、田植えの楽しみとしても食べられてきた。

いももち
鳴門市に19世紀後半にさつまいもが伝わった頃から親しまれる餅菓子。砂糖が高級品だった時代、甘くて腹持ちの良いさつまいもが庶民の貴重な甘味として重宝された。

ふつもち
「ふつ」はよもぎの古称。佐賀では桃の節句に菱餅の代わりにふつもちを供える独特の風習があり、全国でも珍しい春の味覚として親しまれる。
ふるさと納税柚餅子
参勤交代の大名も愛した岡山の柚餅子。柚子の産地ならではの爽やかな香りが特徴で、江戸時代から続く宿場町の銘菓である。

いしもちじゃこの唐揚げ
頭に大きな「耳石」を持つ小魚を、頭落として骨ごと揚げる瀬戸内の逸品。ほのかな甘みとねばりが特徴の、春から夏の味覚である。

いびつもち
葉の形が「いびつ」だから名付けられた、兵庫の端午の節句菓子。柏の代わりにサルトリイバラの葉を使い、淡路では「いびつもち」、北播磨では「ひょっとで」など地域で呼び名が異なる。
広島県の名物

八寸
器の大きさか材料の多さにちなむ名の、浄土真宗門徒の伝統煮物。冠婚葬祭で具材の数や色が変わる、海と山の恵みを合わせた広島西部の知恵料理。

あなご飯
明治34年に宮島口駅で駅弁として誕生した「あなご飯」。潮流の速い瀬戸で育った脂がのった「瀬戸のあなご」を、かば焼きにしてだし炊きご飯に敷き詰めた宮島名物である。

かきの土手鍋
鍋のふちに塗った味噌を崩しながら味を調節する独特の食べ方が特徴。全国生産量半分以上を占める広島のかきを、冬の風物詩として味わう郷土料理である。

かき飯
縄文時代から続く広島のかき養殖。全国6割を占める水揚げの背景には、波静かで潮の流れ適度な湾の地形と、中国山地からの豊かな栄養素があった。

かき雑煮
「福をかき寄せる」縁起物のかきを、すまし汁の雑煮に入れた広島の正月料理。瀬戸内海の恵みと、ぶりの刺身の残りを使う知恵が詰まっている。

煮菜
「煮」の名に反して炒め物に近い、福山の日常おかず。大根の千切りと油揚げをしょうゆで味付けし、食材の水分だけで旨味を閉じ込める、農家の知恵が詰まった一皿である。