
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
やたら漬けは、なす、きゅうり、しその実、みょうが、大根、小菜など多種の野菜を塩漬けし、11月頃に粗く刻んで唐辛子と調味液に漬け込む漬物である。半年をかけて漬けるこの保存食は、兵庫県宍粟市千種町を中心に伝承されてきた。同地域は山間部に位置し、冬季の野菜保存の知恵として発達した。12月頃から夏前にかけて食され、食事のおかずやおやつとして親しまれてきた。かつては商業用にも盛んに出荷されたが、漬ける人が減少し現在は購入困難となっている一方、千種町には今も作り続ける家庭が残る。
由来・歴史
やたら漬けの名は、「やたら野菜を使って、やたらおいしい」ことに由来する。通常の漬物と異なり、各野菜の収穫時期に合わせて季節別に漬け物桶に塩漬けしていく製法を持つ。半年かけて仕込むこの保存食は、かつて商業用にも盛んに出荷されたが、製造者の減少により現在は入手困難となっている。
食べ方
半年かけて漬け込んだ後、11月頃に塩抜きした野菜を粗く刻み、唐辛子や調味液に数日漬けて完成させる。12月頃から夏前までの長期にわたり保存食として食され、食事時のおかずとしてはもちろん、おやつとしても食されてきた。
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産地
漬物の名物

ママカリの酢漬け
「ご飯を借りに行くほどおいしい」という語源を持つママカリを、酢に漬けて骨まで食べる岡山の伝統保存食。漬かるほどに骨が軟らかくなり、尾びれまで丸ごと味わえる。

広島菜漬けのおにぎり/広島菜むすび
江戸時代に参勤交代で京都から種子を持ち帰ったのが始まりとされる「広島菜」。その浅漬けをおにぎりに巻いた庶民の味は、かき船の食事から戦後の贈答品へと価値を変えながら、今も県民の日常に溶け込む。

わかめの醤油漬け
早春に獲れる萩市のわかめを醤油でもみ込み生で食べる保存食。瀬やグリと呼ばれる海底の岩礁が生む栄養豊かな海で育ったわかめの、香りと歯応えをそのまま味わう。

大阪漬
大根やかぶを塩で揉み、数時間で仕上げる浅漬け。大阪地域で広く作られたことから名付けられ、葉茎まで丸ごと使う惜しみない食文化が特徴。

泉州水なすの浅漬
ぎゅっと絞れば水が滴るほど水分豊富な泉州水なすを、ぬかや調味液に短期間漬け込んだ浅漬。江戸時代から続く地元の味が、1994年の関西国際空港開港を機に全国へ広まった。

漬物味噌煮
鯖缶を器にした炭焼き小屋発祥の知恵料理。酸っぱく漬かりすぎた白菜を郡上味噌で煮込み、煮返しながら何日も楽しむ、飛騨の冬の味覚である。
兵庫県の名物

かつめし
ナイフとフォークがなくても箸で食べられる洋食として戦後間もなく考案された、加古川の名物かつめし。デミグラスソースがかかった平たいビーフカツが、薄めに盛ったご飯の上に鎮座する。

ちょぼ汁
子どもの健やかな成長を願い、産後の母へ贈られる淡路島の伝統料理。女の子にはへこませた団子、男の子にはとがらせた団子を入れる命名の工夫も独特である。

姫路おでん
生姜醤油をかけて食べるのが特徴の姫路おでん。2006年に有志が命名し、ご当地グルメとして観光客を魅了する。辛子ではなく生姜醤油を使うのは、姫路が生姜と醤油の生産地だったことに由来する。

ぼたん鍋
丹波篠山の冬の名物「ぼたん鍋」は、陸軍駐屯地時代のイノシシ汁が起源。牡丹の花びらを模した華やかな盛り付けで、昭和に名前が定着した郷土料理である。

いびつもち
葉の形が「いびつ」だから名付けられた、兵庫の端午の節句菓子。柏の代わりにサルトリイバラの葉を使い、淡路では「いびつもち」、北播磨では「ひょっとで」など地域で呼び名が異なる。

はたはたの唐あげ
抱卵していない脂ののったハタハタを丸ごと揚げた一品。朝鮮半島から回遊してくる但馬の春の味を、骨まで食べて味わう。