
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大根やかぶの根と葉茎を刻み、昆布・赤とうがらしとともに塩で揉み込む浅漬け。塩の作用でしんなりとした食感となり、素材本来の歯ざわりとうまみが残る。大阪府を中心とした関西地域で広く作られ、野菜の旬を活かした家庭料理として親しまれてきた。主に11月から2月の大根・かぶの収穫期に食べられ、正月や冬の食卓に欠かせない一品だった。塩加減や具材の組み合わせは各家庭で異なり、柚子の皮やしょうゆの使い方にも個性が出る。現在は季節を問わずスーパーで販売され、大阪の食文化を代表する漬物として定着している。
由来・歴史
浅漬けの一種であり、大根やかぶを根と葉茎ごと刻んで塩漬けにする。数時間から一晩程度で食べられる手軽さが特徴で、大阪地域で特に多く作られたことから「大阪漬」の名がついたとされる。
食べ方
大根の皮と昆布を細切りにし、刻んだ大根の葉・赤とうがらし・柚子の皮を加えて塩でもみ込む。しんなりしたら水けを絞って器に盛り、好みでしょうゆをかけて食べる。11月から2月の大根・かぶの旬の時期に多く作られたが、現在は通年食されている。
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産地
漬物の名物

やたら漬け
「やたら野菜を使って、やたらおいしい」が名の由来。半年かけて漬ける兵庫・宍粟の冬の保存食で、季節ごとに収穫した野菜を漬け物桶に次々と加えていく独特の製法が特徴。

ママカリの酢漬け
「ご飯を借りに行くほどおいしい」という語源を持つママカリを、酢に漬けて骨まで食べる岡山の伝統保存食。漬かるほどに骨が軟らかくなり、尾びれまで丸ごと味わえる。

広島菜漬けのおにぎり/広島菜むすび
江戸時代に参勤交代で京都から種子を持ち帰ったのが始まりとされる「広島菜」。その浅漬けをおにぎりに巻いた庶民の味は、かき船の食事から戦後の贈答品へと価値を変えながら、今も県民の日常に溶け込む。

泉州水なすの浅漬
ぎゅっと絞れば水が滴るほど水分豊富な泉州水なすを、ぬかや調味液に短期間漬け込んだ浅漬。江戸時代から続く地元の味が、1994年の関西国際空港開港を機に全国へ広まった。

漬物味噌煮
鯖缶を器にした炭焼き小屋発祥の知恵料理。酸っぱく漬かりすぎた白菜を郡上味噌で煮込み、煮返しながら何日も楽しむ、飛騨の冬の味覚である。

赤かぶ漬け
江戸時代から続く塩節約の知恵が生んだ、発酵で白い身が紅く染まる漬物。飛騨の初冬、川で野菜を洗う「菜洗い」の風物詩とともに受け継がれる。
大阪府の名物

ばらずし
江戸時代の質素倹約令に庶民が考えた「一菜」の知恵が結実した、具材をご飯に混ぜ込む関西流の五目ずし。翌日は蒸して「温ずし」に変身する残りもの活用術も魅力。

紅しょうが天
昭和初期の小説に登場するほど大阪庶民に浸透した、鮮やかな赤色が特徴の天ぷら。梅干しの副産物である紅しょうがを揚げた、近畿地方の定番惣菜である。

鯨のハリハリ鍋
水菜を食べるときの「ハリハリッ」という音が名前の由来。1967年創業の徳家が発祥とされる大阪の冬の名物料理で、かつては庶民のタンパク源だった鯨肉と水菜の鍋である。

串カツ
「2度づけ禁止」の鉄則が有名な大阪のソウルフード。大正末期、新世界で労働者の腹を満たすために考案された安価で早く食べられる揚げ物である。

大阪しろ菜の辛子和え
江戸時代から続く大阪の伝統野菜「天満菜」が、ピリッと辛子で引き立つ副菜に。平たく白い葉柄がしんなりと柔らかくなる、あっさりとした味わいが特徴である。

桜餅
関西の桜餅は粒々とした食感の道明寺粉を使い、関東のクレープ状の生地とは対照的である。大阪・藤井寺市の道明寺で生まれた保存食が、春の風流な菓子へと発展した。