
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
鯨肉と水菜をかつお節や醤油のだしで煮る鍋物で、水菜のシャキシャキとした歯切れの良い食感が特徴である。大阪の千日前で1967年に創業した鯨料理店・徳家が発祥とされ、和歌山県太地という国内有数の捕鯨基地に近いことから鯨の流通が盛んだった大阪で育まれた食文化である。冬が旬の水菜を使い、体が温まることから寒い時季に食される。具材や味付けは家庭や店によってさまざまで、粉山椒や七味唐辛子をかけるなど好みに応じたアレンジも見られ、現在では鯨肉に代わって豚肉などを使う場合も増えている。
由来・歴史
1967年創業の大阪・千日前の鯨料理店「徳家」が発祥とされる。水菜を食べる際の「ハリハリッ」という音から名付けられた。日本で捕鯨が盛んだった時代、和歌山県太地に近い大阪は鯨の流通が盛んで、安価な鯨肉は庶民にとって身近なタンパク源であった。1980年代の商業捕鯨中止で入手困難となり、2019年の再開まで豚肉などへの代替が進んだ。
食べ方
かつお節などでだしをとり醤油を加えた鍋に、水菜をたっぷり入れて鯨肉を加え、煮立ったら完成する。水菜のシャキシャキとした食感を楽しむにはサッと火が通ったあたりが食べごろで、粉山椒や七味唐辛子をかけて味を整える。冬が旬の水菜を使うことから、寒い時季に体を温めるメニューとして親しまれている。
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産地
鍋料理の名物

鍛冶屋鍋
火を扱う鍛冶職人が夏の労働でほてった身体を冷やすために好んだ、明石沖のタコとなすを煮込む鍋料理。約1500年の歴史を持つ三木市の金物文化とともに伝わる。

ぼたん鍋
丹波篠山の冬の名物「ぼたん鍋」は、陸軍駐屯地時代のイノシシ汁が起源。牡丹の花びらを模した華やかな盛り付けで、昭和に名前が定着した郷土料理である。

しし鍋
美作の猟師から一般家庭まで広く親しまれる冬の味。イノシシの深い旨みを味噌ベースのだしで煮込み、古くから貴重なタンパク源として食されてきた鍋料理である。

ハモ鍋
骨切りした淡白なハモに、甘み豊かな泉州玉ねぎが絶妙に合う大阪湾の郷土鍋。玉ねぎ栽培発祥の地ならではの組み合わせが、家庭の味として親しまれてきた。

牛鍋
1862年に横浜「伊勢熊」で誕生した、すき焼きとは異なる「煮る」牛鍋。開港直後の外国人居留地で生まれた和洋折衷の味は、妻の猛反対を押し切って始まったという。

柳川鍋/どじょう汁
江戸庶民の夏の滋養食「どじょう汁」には、生きたまま煮る「丸鍋」と骨抜きの「ぬき鍋」、卵とじの「柳川鍋」の3種類がある。1801年創業の「駒形どぜう」は、縁起をかついで四文字から三文字の店名に変えた老舗である。
大阪府の名物

バッテラ
ポルトガル語で「小舟」を意味する名の由来は、創業当初のコノシロを使った舟形の姿にあった。大阪の押し寿司文化と昆布文化が詰まった、府民になじみ深い郷土料理である。

ごより豆/じゃこ豆
「ごより」とは大阪湾の雑魚を天日干ししたもので、その名の由来は「売れ残り(後寄り)」にあり。カルシウム豊富な小魚と大豆を甘辛く炊いた、泉州・河内地域の知恵の保存食である。

白味噌雑煮
「角が立たず円満に」という縁起を担い、丸餅と輪切りの野菜を白味噌で煮る大阪の正月名物。元旦は白味噌、二日目は醤油仕立てと味を変える「商いの街」ならではの知恵が込められている。

紅しょうが天
昭和初期の小説に登場するほど大阪庶民に浸透した、鮮やかな赤色が特徴の天ぷら。梅干しの副産物である紅しょうがを揚げた、近畿地方の定番惣菜である。

ばらずし
江戸時代の質素倹約令に庶民が考えた「一菜」の知恵が結実した、具材をご飯に混ぜ込む関西流の五目ずし。翌日は蒸して「温ずし」に変身する残りもの活用術も魅力。

大阪漬
大根やかぶを塩で揉み、数時間で仕上げる浅漬け。大阪地域で広く作られたことから名付けられ、葉茎まで丸ごと使う惜しみない食文化が特徴。