
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
牛肉や野菜、魚介類などを串に刺し、厚い衣をつけて揚げたフライ料理である。衣は小麦粉と卵を溶いた生地にパン粉をまとわせたもので、揚げたてをソースに突っ込んで食べるのが特徴的だ。主な伝承地域は大阪市を中心とした大阪府内全域で、特に通天閣がある「新世界」に店が密集している。労働者が多く集まるこの土地柄で、安価で腹持ちがよく、短時間で食べられる食事として発展した。季節を問わず1年を通して食べられ、立ち食いの大衆食堂から高級食材を使った店、デート向けのおしゃれな店まで多様な業態が存在する。家庭でも作れるが、主に店舗で食されるものであり、2000年代以降は全国チェーン店の展開で大阪名物として全国に広まった。
由来・歴史
大正末期から昭和初期にかけて、大阪・新世界で発祥したとされる。近隣で働く労働者たちのために、安価で腹が膨れ、時間をかけずに食べられるよう薄い牛肉に厚い衣をつけて揚げるスタイルが考案された。戦後の食糧難の時代には食中毒のリスクが低いことから店舗が増加し、2000年代には全国チェーン店の登場で「大阪名物」として全国に認知されるようになった。「2度づけ禁止」のルールは、客同士でソースを共有する衛生上の配慮から生まれた。
食べ方
具材を串に刺し、小麦粉と卵の生地にくぐらせてパン粉をまとわせ、油で揚げる。揚げたてをソースが入った容器に一度だけ突っ込んで食べるのが基本で、「2度づけ禁止」は厳守される。季節に関わらず1年を通して楽しまれ、新世界の大衆食堂で立ち食いするのが定番だが、近年はデートや特別な機会にも利用される店も増えている。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
大阪府の名物

大阪漬
大根やかぶを塩で揉み、数時間で仕上げる浅漬け。大阪地域で広く作られたことから名付けられ、葉茎まで丸ごと使う惜しみない食文化が特徴。

ばらずし
江戸時代の質素倹約令に庶民が考えた「一菜」の知恵が結実した、具材をご飯に混ぜ込む関西流の五目ずし。翌日は蒸して「温ずし」に変身する残りもの活用術も魅力。

紅しょうが天
昭和初期の小説に登場するほど大阪庶民に浸透した、鮮やかな赤色が特徴の天ぷら。梅干しの副産物である紅しょうがを揚げた、近畿地方の定番惣菜である。

大阪しろ菜の辛子和え
江戸時代から続く大阪の伝統野菜「天満菜」が、ピリッと辛子で引き立つ副菜に。平たく白い葉柄がしんなりと柔らかくなる、あっさりとした味わいが特徴である。

桜餅
関西の桜餅は粒々とした食感の道明寺粉を使い、関東のクレープ状の生地とは対照的である。大阪・藤井寺市の道明寺で生まれた保存食が、春の風流な菓子へと発展した。

紅ずいきと油揚げの炊いたん
「炊いたん」とは関西の言葉で「煮物」のこと。シャキッとした食感の紅ずいきが油揚げと出汁を吸い、夏の定番おばんざいに仕上がる。