
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
もろこずしは、寿司箱に酢飯を敷き詰め、その上に甘辛く煮た淡水魚「もろこ」を並べた押し寿司である。米は酒と昆布で炊き、酢飯とした後、砂糖・醤油・酒・生姜であめ色に煮詰めたもろこを重ね、ハランを挟んで重しをかける。主に岐阜県西濃地域と愛知県北西部に伝わり、木曽川・長良川・揖斐川の水郷地帯で多く採れた川魚を活用した食文化の一環である。祭りや正月、法事など多くの人が集まる場面で各家庭のおもなし料理として作られてきた。漁獲量の減少や川魚離れにより今では希少になったが、特別な日の懐かしい味として親しまれている。
由来・歴史
もろこはコイ科の淡水魚で、成魚は体長10cmほどになる。戦後の土地基盤整備以前、木曽三川流域は網の目のような水郷地帯であり、フナ・コイ・もろこ・うなぎ・なまずなど豊富な川魚が採れた。この環境が川魚を使った食文化を育み、もろこずしはその代表的な郷土料理として発展した。小さめのもろこを用いると食べやすく、素朴ながらも丁寧な仕事が光る。
食べ方
米を酒と昆布で炊き、炊き上がりに調味料を合わせて酢飯を作る。ぬらした寿司箱にハランを敷き、酢飯・もろこ・ハランの順に重ねて重しをかけ、2〜3時間置く。もろこは砂糖・醤油・酒・生姜であめ色になるまで煮詰めてから使用する。祭りや正月、法事など多くの人が集まる特別な日のおもてなし料理として各家庭で作られ、今では懐かしい味として食されている。
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産地
寿司の名物

鮎なれずし
1300年続く長良川鵜飼の歴史とともに受け継がれる発酵食品。鵜匠の技が生む「御鮨街道」の名物料理である。

恵方巻き/巻きずし
その年の縁起の良い方角を向き、無言で丸かぶりするという独特な食べ方が特徴の太巻き寿司。大阪に端を発し、のり業界やコンビニの販売促進により全国に広まった節分の風習である。

大阪寿司
明治時代に船場の「吉野寿司」が考案した「二寸六分の懐石」こと箱寿司は、芝居見物の幕間弁当として船場の旦那衆に絶大な支持を受けた。空気を押し出して作るため時間が経つほど味がなじむという、逆説的な魅力を持つ大阪の名物である。

朴葉ずし
手を汚さず食べられる携帯食が華やかな初夏の御馳走へ。朴の葉の殺菌・防カビ効果が、高温多湿の田植え期に重宝された知恵の料理。

おせずし
「押しずし」が訛った名前の由来を持つ、富山県新川地区の押し寿司。焼きサバのほぐし身を酢飯で挟み、海苔をのせて一晩重石で押し固める。四角く切り分けるのが特徴で、春祭りや「たてもん祭り」などの伝統行事で大皿に豪快に盛られる。
岐阜県の名物

いももち
稲刈り後の労をねぎらう晩秋の味。里芋と米を炊き込んで丸め、生姜醤油で頬張る粘り気の強い郷土食。かさ増しの知恵から生まれた貴重な主食代わりの逸品である。

みそぎだんご
羽島市の伝統菓子「みそぎだんご」は、みたらし団子にあんを入れた革新的な発想から生まれた。八剣神社の「みそぎ神事」にちなむ名前で、6月末の無病息災祈願の縁起菓子として親しまれる。

すったて汁
「どぶ汁」の異名を持つ白川村の名物。豆腐作りの過程で生まれた大豆の搾りかすを使った汁物が、世界遺産の合掌造り集落でハレの日に供されてきた。

ねずし
「ねずしがないと正月が来ない」と言われる飛騨の発酵寿司。厳寒の土地で生まれた甘酸っぱくマイルドな味わいは、全国のなれずしの中でも食べやすいと評判である。

大歳のごっつぉ
「糸昆布」が必ず入る縁起物。細長く長生きできるようにとの願いを込め、岐阜県の年末年始を彩る鍋物である。地域や家庭で具材や名称が異なるのも特徴。

朴葉味噌
山仕事の杣人が朴葉を皿代わりにしたのが始まり。抗菌作用のある朴葉に味噌を乗せ、囲炉裏で焼きながら食べる飛騨の冬の味。