
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
恵方巻きは、厚焼き卵、きゅうり、三つ葉、あなご、干し椎茸、かんぴょう、海老、鰻蒲焼など7種類の具を海苔で巻いた太巻き寿司である。大阪・船場の商家や花街を発祥とする諸説があり、商売繁盛を願う土地の商業文化と深く結びついている。毎年2月3日の節分に、その年の恵方(陰陽道で定められた縁起の良い方角)を向いて食べられる年1回の特別な食事である。元来は家庭ごとに具材に決まりがなかったが、近年は七福神にあやかり7種の具を用いるのが主流となり、コンビニエンスストアやスーパーでの予約販売が常態化している。
由来・歴史
節分に恵方を向いて太巻き寿司を食べる風習は、大阪に端を発するともいわれるが起源は定かではない。江戸時代末期に大阪・船場の商家で商売繁盛を願って行われたとする説や、花街の遊びから生まれたとする説がある。戦後までは一般的でなかったが、1970年代頃からのり業界の販売促進により認知され、1990年代のコンビニエンスストアやスーパーの参入を経て全国に広まった。
食べ方
その年の恵方に向かい、「縁を切らないように」願いを念じながら、「福が逃げないように」無言で丸かぶりして1本食べきるのが正式な食べ方である。毎年2月3日の節分に食べられ、近年は食品ロス防止のため事前予約制をとる店も増えている。
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産地
寿司の名物

ばらずし
江戸時代の質素倹約令に庶民が考えた「一菜」の知恵が結実した、具材をご飯に混ぜ込む関西流の五目ずし。翌日は蒸して「温ずし」に変身する残りもの活用術も魅力。

鯖寿司
鯖街道の塩漬け鯖がちょうどいい塩加減に熟成する丹波篠山で生まれた、酢で締めた塩鯖の寿司。姿寿司・棒ずし・にぎりと形はさまざまで、秋祭りのごちそうとして今も伝わる。

鮎なれずし
1300年続く長良川鵜飼の歴史とともに受け継がれる発酵食品。鵜匠の技が生む「御鮨街道」の名物料理である。

もろこずし
木曽三川の水郷が育んだ押し寿司。小さな淡水魚「もろこ」を甘辛く煮詰め、酢飯と重ねた正月のもてなし料理で、西濃地域に今も息づく素朴な味わいである。

ねずし
「ねずしがないと正月が来ない」と言われる飛騨の発酵寿司。厳寒の土地で生まれた甘酸っぱくマイルドな味わいは、全国のなれずしの中でも食べやすいと評判である。
大阪府の名物

大阪寿司
明治時代に船場の「吉野寿司」が考案した「二寸六分の懐石」こと箱寿司は、芝居見物の幕間弁当として船場の旦那衆に絶大な支持を受けた。空気を押し出して作るため時間が経つほど味がなじむという、逆説的な魅力を持つ大阪の名物である。

たこ焼き
「チョボ焼き」から派生した大阪発祥の屋台食。戦後に濃厚ソースとの出会いで現在のスタイルが確立し、国民的ソウルフードへと発展した。

船場汁
鯖のあらまで余さず使う大阪らしい「始末の料理」。明治から大正の船場の商家で、忙しい日々を支えた質素ながら滋味深い潮汁である。

くるみ餅
クルミが入っていない「くるみ餅」。うぐいす色の枝豆餡で餅を「くるんで」包むことから名付けられた、堺の伝統菓子である。

鱧皮ザクザク
「ザクザク」とはきゅうりを切る音か、食べる音か。鱧かまぼこ製造の副産物である皮を、大阪の「始末の精神」で夏の酢の物に仕立てた名残り料理である。

若ごぼうの炒め煮
早春を告げる八尾の葉ごぼうを丸ごと味わう。根・軸・葉すべてが食材となり、シャキシャキとした食感とさわやかな香りが特徴の炒め煮である。