
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
塩鯖のあらと大根を昆布だしで煮た上品な潮汁で、鯖のだしが効いた淡白な味わいが特徴である。大阪の商業中心地・船場の問屋街で、多くの奉公人を抱えた商家に古くから伝わる。朝夕は茶漬け、昼は一汁一菜という質素な食生活の中で、月2回の魚の身を取った後の頭や骨を再利用し、時間をかけずに作れたことから日常食として定着した。鯖が旬を迎える秋や冬に好んで食され、現在も家庭や市中の定食屋で楽しまれている。元は塩鯖の塩気をそのまま味わうのが基本だが、近年は新鮮な鯖の切身を使ったり、酢や醤油を加えるなど家庭ごとにアレンジも見られる。
由来・歴史
明治から大正にかけて大阪の商業中心地として賑わった船場の問屋街に発祥する。当時、多くの奉公人を抱えた商家の食生活はごく質素で、月2回しか魚が食膳に上らなかった。その魚の身を取った後の頭、骨、あらを余さず使い、だしを取って大根を煮たのが船場汁の始まりである。魚のあらまで経済的に利用し、忙しい商家で時間をかけずに作れる「始末の料理」として定着し、「船場煮」とも呼ばれるようになった。
食べ方
昆布のだし汁で鯖の骨と大根を煮込み、仕上げに塩で味を整え、薬味としてネギを加える。元は塩鯖のあらを使い、その塩気とだしをそのまま味わうのが基本であったが、近年は新鮮な鯖の切身で代用したり、酢や醤油を加えたりするアレンジも多い。鯖が旬を迎える秋や温かい汁物が恋しくなる冬に好んで食され、現在も日常食として家庭や市中の定食屋で提供されている。
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産地
汁物の名物

粕汁
正月の鮭や鰤の残りを使い、酒粕と野菜を煮込む「二十日正月」のけじめの食。灘五郷の酒造文化が生んだ、冬の山間部を温める滋養の味噌汁である。

ちょぼ汁
子どもの健やかな成長を願い、産後の母へ贈られる淡路島の伝統料理。女の子にはへこませた団子、男の子にはとがらせた団子を入れる命名の工夫も独特である。

手延べ素麺のばち汁
三味線の撥に似た形から名づけられた「ばち」は、そうめんの端っこ部分でコシが強いのが特徴。ゆでずに鍋に入れる手軽さから、浅口市鴨方町の家庭で冬の日常食として親しまれている。

つぎ汁
「きったて」と呼ばれる専用の容器から、箸で混ぜながらお椀に次いで回る独特の供し方が名の由来。辛みと甘みが絶妙に調和した、郡上市明宝寒水地区でしか味わえない希少なお吸い物である。

すったて汁
「どぶ汁」の異名を持つ白川村の名物。豆腐作りの過程で生まれた大豆の搾りかすを使った汁物が、世界遺産の合掌造り集落でハレの日に供されてきた。

三日の団子汁
赤ちゃんを産んだ母親が産後三日目に食べる、上新粉の団子入り味噌汁。母乳がよく出るようにと、ずいきや野菜を入れて栄養をつける伝統的な料理である。
大阪府の名物

きつねうどん
明治26年、大阪・船場のうどん店で客が油揚げを素うどんにのせたことが始まり。昆布と鯖節のだしが利いた、大阪府民が最も愛するコナモンの定番である。

丁稚ようかん
「丁稚」の名は、練り羊羹に比べて煮詰めが足りず「半人前」だったことに由来する。砂糖を控えた素朴な味わいで、北摂の冬に親しまれてきた寒天羊羹である。

蓮根餅
穴の開いた蓮根に紅白のもち米を詰めて蒸す縁起物。将来が見通せるという縁起の良さから、門真のお祝いの席に欠かせない一品として伝わってきた。

たこ焼き
「チョボ焼き」から派生した大阪発祥の屋台食。戦後に濃厚ソースとの出会いで現在のスタイルが確立し、国民的ソウルフードへと発展した。

大阪寿司
明治時代に船場の「吉野寿司」が考案した「二寸六分の懐石」こと箱寿司は、芝居見物の幕間弁当として船場の旦那衆に絶大な支持を受けた。空気を押し出して作るため時間が経つほど味がなじむという、逆説的な魅力を持つ大阪の名物である。

恵方巻き/巻きずし
その年の縁起の良い方角を向き、無言で丸かぶりするという独特な食べ方が特徴の太巻き寿司。大阪に端を発し、のり業界やコンビニの販売促進により全国に広まった節分の風習である。