
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小麦粉に熱湯を加えてこね、たっぷりのお湯でゆでるまんじゅうである。蒸したものよりもっちりとした食感が特徴で、あんこを包む場合と包まない場合がある。埼玉県所沢市を中心に作られてきたが、この地域はかつて麦類やいも、お茶を中心とした畑作地帯で、麦は冬の代表的な作物であった。お盆やお彼岸、農家の物日、祭日、七夕祭り、十五夜、十三夜、さらに養蚕が盛んな地域では蚕が繭になった時期に食べられ、近所に配ることもあった。家庭によってはあんこを包むか包まないかが異なり、硬くなったものは焼いたり揚げたりして再加熱して食べる現代での工夫も見られる。
由来・歴史
「うでまんじゅう」は「ゆでまんじゅう」がなまった言葉である。埼玉県所沢市はかつて麦類、いも、お茶などを中心とした畑作地帯で、麦は秋の終わりに種をまき、翌年6月下旬に収穫される冬の代表的な作物であった。お盆の時期には香りの良い新小麦が手に入り、これを使って「うでまんじゅう」が作られた。蒸すのではなくゆでることで、もっちりとした食感に仕上がるのが特徴である。
食べ方
小麦粉に熱湯を加え、箸で素早くかき混ぜた後、手に水をつけながら耳たぶくらいの硬さになるまでこねる。程よい大きさに切り分けて丸め、あんこを入れる場合はここで包む。たっぷりのお湯を沸かし、鍋底にくっつかないようかき回しながらゆで、浮き上がったら水に取ってぬめりを落とす。硬くなったものは焼く、揚げる、ふかすなど再加熱して食べる。お盆やお彼岸、七夕祭り、十五夜、十三夜、養蚕地域では蚕が繭になった時期に食べられる。
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産地
まんじゅうの名物

小麦まんじゅう
埼玉県の七夕やお盆に供える、ふんわり柔らかな小麦粉生地の蒸しまんじゅう。所沢の「ゆでまんじゅう」と対をなす、シンプルながら深い味わいの郷土菓子である。

いがまんじゅう
赤飯が栗のイガのようにまんじゅうを覆う、埼玉県北東部の縁起菓子。甘じょっぱい味わいともっちり食感が意外な調和を生み、ハレの日に親しまれてきた。

酒まんじゅう
「酒まんじゅうが作れることが嫁入りの条件」とされた相模原の儀礼食。火山灰台地の畑作文化が生んだ、酒種発酵の風味豊かな蒸しまんじゅうである。

炭酸まんじゅう
重曹の苦味がアクセントの蒸しまんじゅう。砂糖が希少だった時代、十五夜や農作業のご褒美として特別なごちそうとして重宝された。

焼きまんじゅう
江戸時代末期に前橋の原嶋類蔵が考案した「味噌づけまんじゅう」が起源。竹串に刺した発酵まんじゅうに甘みのある味噌だれを塗って焼く、群馬を代表する小麦粉菓子である。
ふるさと納税小麦まんじゅう
地獄の蓋が開く「釜蓋朔日」に供える、ご先祖の旅路を見送るまんじゅう。重曹でふっくらと膨らんだ皮と、挽きたて小麦粉の香りが特徴の栃木の味である。
埼玉県の名物

すみつかれ
節分の豆を残して使う北埼玉の知恵料理。鬼おろしで粗くおろしたダイコンと炒り大豆を煮込み、初午の日にお稲荷様に供える冬の保存食である。

呉汁
田んぼのあぜで育てた「たのくろ豆」をすりつぶした大豆の滋味深い汁物。ご飯にかけて食べる質素な食べ方も、古き埼玉の暮らしを今に伝える。

フライ
「フライ」とは揚げ物ではなく焼き物だ。昭和初期、足袋工場の女工たちに大ヒットした行田の名物で、名前の由来には「布来(ふらい)」説など諸説ある。

ゆず巻き
大根にゆずの皮を巻き込んだ埼玉の漬物。正月料理として愛される一方、酒の肴やお茶請けにもなる保存食で、甘酢や三杯酢に漬け込む家庭ごとの違いがある。

やきとり
鶏肉ではなく豚のカシラ肉を使う東松山市名物。かつて工場労働者の腹ごしらえとして親しまれ、今も赤提灯の店で味わえる。店ごとに異なる味噌だれが個性を彩る。

こんにゃくのみそおでん
生のこんにゃく芋を手作りした三角形のこんにゃくに、ごまやゆずを混ぜたみそだれを付けて食べる秩父・寄居の名物。熱々の串揚げスタイルで、子どものおやつから観光客の味わいまで幅広く親しまれる。