
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
甘じょっぱく煮たかんぴょうを中心に、卵やきゅうりと合わせた太巻き、あるいはかんぴょう単独の細巻きに仕立てる。味付けの幅広さが特徴で、のりとの相性も良い。主な伝承地域は栃木県南東部の上三川町、小山市、下野市、宇都宮市、真岡市、鹿沼市であり、当地は温暖な気候と豊かな水源に恵まれ、かんぴょう栽培に適した土地柄である。かつては花見や運動会、遠足といった行楽の場で重箱に詰められ、家族や仲間と囲んで食べられた。家庭ごとに巻き方や具材の組み合わせに違いがあり、現在も弁当や祝い膳に欠かせない定番料理として親しまれている。
由来・歴史
かんぴょうの生産は、江戸時代正徳2年(1712年)に鳥居忠英が江州(現・滋賀県)より下野壬生城主に国替えとなった際、ゆうがおの種を取り寄せて地元壬生の農家に栽培させたことに始まる。その後、栽培地域は上三川町、小山市、下野市、宇都宮市、真岡市、鹿沼市など栃木県南東部に広がり、全国の約90%以上の生産を占める一大産地を形成した(2018年農林水産省調べ)。
食べ方
米は洗って1時間程度水に浸し、水気を切ってから炊飯し、合わせ酢を混ぜる。太巻き・細巻きともに中心に具材をのせ、巻きすでくるむように丸め、巻き終わりに酢をつけてしっかり止めてから食べやすい大きさに切り分ける。かつては花見や運動会、遠足といった行楽の機会に重箱に詰めて持参し、家族や仲間と囲んで食べる習慣があった。
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産地
寿司の名物

聖天ずし
江戸時代から変わらぬ姿で受け継がれる、熊谷・妻沼のハレの日の味。大きな油揚げに酢飯を詰めた稲荷ずし3本と巻きずし4切れのボリュームが、農作業の合間の腹持ちの良さとして親しまれてきた。

穴子寿司
「おいしい鮨屋はあなごでわかる」と言われる江戸前ずしの定番。東京湾の栄養豊かな海で育った穴子を、職人がぬめりを取り除き丁寧に煮上げる技が光る。

島ずし
江戸前の「ヅケ」技法のルーツともいわれる、伊豆諸島の島ずし。ワサビの代わりに練りがらしや島唐辛子の「島とう醤油」を使う独特の食文化が、各島で独自に発展した。

いなりずし
俵型に握った酢飯を油揚げで包み、中央をかんぴょうで結ぶ独特の姿が特徴。全国のかんぴょうのほぼ全てを生産する栃木県ならではの郷土寿司である。

赤漬け/赤ずし
鶏頭の赤い花に似た鮮やかな色が名前の由来「けいとまま」。秋田県北のお盆に欠かせない発酵食品で、疲労回復と消化促進の万能薬として盛夏を乗り切ってきた。

なすの花ずし
紫色のなすに黄色の菊、赤とうがらしを重ねた華やかな漬け物。秋田の漬け物の芸術品と呼ばれ、正月の食卓を彩る。
栃木県の名物

煮しめ
子孫繁栄を願う縁起物・さといもが主役の「芋煮しめ」。縄文時代から続く栃木の古き食文化が、おせちや祭りを彩る。

耳うどん
耳の形に似たうどんを手に持ち、「いい耳聞け」と祈る風習がある。佐野市葛生地区と宇都宮市に伝わる縁起物の郷土料理で、正月の来客に振舞われてきた。

ニシンとタケノコの煮付け
「田植えにしん」の異名を持つ、栃木の内陸部で育まれた知恵の料理。保存が効く身欠きにしんと旬のたけのこを甘じょっぱく煮詰め、稲作の祭りを彩るご馳走として親しまれてきた。

ばっとう汁・だんご汁(すいとん)
「ばっとう汁」「はっとう汁」「だんご汁」「とっちゃなぎ」——同一の料理が栃木県内で4種類の異名を持つ。いずれも「法度汁」が訛ったもので、米不足を補う知恵の食である。

揚げまき湯波の煮物
日光では「湯葉」を「湯波」と書く。金串ですくい上げた厚みのあるゆばを巻いて揚げ、薄味で煮込んだ、東照宮のお供えにも使われる伝統の味。

あいその甘露煮
春先の産卵期に赤い縞模様を帯びたウグイを「あいそ」と呼び、内陸の栃木で貴重なたんぱく源として親しまれた川魚の甘露煮。骨まで柔らかく煮込む伝統の味は、冷蔵庫普及以前の暮らしの知恵が詰まっている。