
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
三五八漬けは、冷めたご飯と米こうじ、塩を混ぜ発酵させた「三・五・八」の素に、きゅうり・なす・にんじん・かぶなどの野菜を漬け込んだ漬物である。米こうじのまろやかな甘みと塩味が野菜の鮮味を引き立てる。主に田畑が多く新鮮な野菜が採れる福島県二本松市周辺に伝わり、農家が野菜を余すことなく活用する知恵として発達した。冬に仕込んだ素に夏野菜を漬け、春先や田植えの繁忙期に作り置きのおかずとして重宝されてきた。家庭ごとに塩分濃度や漬け込み時間に違いがあり、近年は減塩レシピや肉・魚介の漬け込みなどアレンジも広がり、商品化により通年楽しめるようになった。
由来・歴史
三五八漬けは江戸時代からある米こうじを使った伝統的な発酵食品である。名称は塩3・こうじ5・米8の割合に由来するとされるが、実際には1:1:1だったという説も伝わっている。二本松市周辺の農村部では、保存がきくことから忙しい農作業期の食糧として欠かせない存在となり、健康に良い食べ物として長く愛され続けてきた。
食べ方
冷めたご飯かもち米に米こうじと塩を加え混ぜ、約1カ月熟成させて「三・五・八」の素を作る。この素を野菜にまぶし、ビニール袋で一晩漬けるか、漬物桶に入れて軽い重石をのせて漬ける。冬に仕込んだ素に夏のきゅうりやなすを漬け、春先や田植えの繁忙期に作り置きのおかずとして食べるのが伝統的なスタイルである。現在は塩分を抑えたレシピが主流となり、肉や魚介の漬け込みも楽しまれている。
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産地
漬物の名物

にしんの山椒漬け
「にしん鉢」と呼ばれる専用の器が存在するほど愛された、会津の伝統保存食。北海道産の干物に山椒の葉を重ね、酢と醤油で漬け込むことで、にしんの臭みを消し爽やかな風味に仕上げる。

べったら漬け
「べったり付くぞ」と縄で振り回されたのが名前の由来。江戸時代のえびす講で売られていた大根の浅漬けが発祥の、東京庶民の味。

割り干し大根のはりはり漬け
「パリパリ」と歯ごたえを楽しむ三浦の味。日本一大根の産地・三浦市で、古くから親しまれてきた冬の定番漬物である。

なた漬け
枝打ち用のなたで大根をざっくり乱切りにして漬ける、秋田の「生漬け」がっこ。ザラザラの切り口が味を引き立て、麹の自然な甘みが特徴だ。

柿漬け
大根と渋柿を塩と砂糖で漬けた角館の伝統漬物。正月の来客には花形に切り盛り付ける風習が残る。

赤漬け/赤ずし
鶏頭の赤い花に似た鮮やかな色が名前の由来「けいとまま」。秋田県北のお盆に欠かせない発酵食品で、疲労回復と消化促進の万能薬として盛夏を乗り切ってきた。
福島県の名物

あんこうのとも和え
あんこうの肝と味噌を炒めた「とも」にゆでたあんこうを和える、相馬市の郷土料理。肝まで余さず味わう漁村の知恵が詰まった一皿である。

あんぽ柿のなます
砂糖が貴重だった時代、甘いお菓子代わりに親しまれたあんぽ柿を、祝いのなますに織り込んだ福島のアレンジ料理。さわやかな酸味と甘み、うま味の調和が特徴。

おひら
平たいお椀に盛りつけることから名付けられた「おひら」は、海と山、川の恵みが調和した只見町のご馳走。焼き干しにした赤腹のハヤが出すうまみ深いだしが特徴である。

豆数の子
「ひやし豆」と数の子を合わせた福島の正月料理。青大豆の一種であるひやし豆の平たい食感と、醤油漬け数の子の歯ごたえが絶妙にマッチする。

はらこ飯
鮭の卵「はらこ」をご飯にたっぷりとのせる豪快な一膳。かつては鮭漁の季節に地曳網を見る観光客も遠方から訪れた浜通りの味である。

つゆ煮しめ
わらで包んだ「つと豆腐」が決め手の南会津の郷土料理。冷蔵庫のない時代に生まれた保存食が、冠婚葬祭のご馳走として今も受け継がれる。