
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
なた漬けは、大根を刃の厚い枝打ち用のなたで乱切りにし、甘酒に漬けた秋田の漬け物である。切り口がザラザラとささくれ立つため、厚切りでありながら内部まで味がよくしみ込み、ザクザクとした歯ざわりと麹の自然な甘みが特徴となる。秋田県は天然秋田杉をはじめとする豊富な山林資源により林業が盛んであり、多くの家庭になたがあったことからこの調理法が生まれた。厳寒期の食事や弁当、酒の肴として、さらには「がっこ茶っこ」と呼ばれる茶請けとしても親しまれ、秋田の人々にとって欠かせない日常食となっている。家庭ごとの味付けの違いや、現代でも「がっこ」文化として継承されている。
由来・歴史
なた漬けの名は、生大根を枝打ち用のなたでざっくりと乱切りにすることに由来する。秋田は天然秋田杉など豊富な山林資源により林業が盛んで、多くの家庭になたがあったことから、この道具を調理に用いる独自の漬け物が生まれた。秋田三代名物がっこの一つである生漬けに分類され、柿漬けと並ぶ伝統的な保存食として受け継がれてきた。
食べ方
皮をむいた大根をなたで適当な大きさに切り、熱湯をかけたあと1〜2時間塩で下漬けする。水気を切り、甘酒と砂糖を加えて1週間ほど漬け込むと完成する。厳寒期の食事や弁当、酒の肴として食べられ、日常食として欠かせない存在である。「がっこ茶っこ」としてお茶うけにする食習慣もある。
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産地
漬物の名物

三五八漬け
「三・五・八」の名は塩3・こうじ5・米8の割合に由来するが、実際は1:1:1だったという説もある。江戸時代から続く二本松の米こうじ漬物で、野菜を余さず使い切れる保存食として長く親しまれている。

にしんの山椒漬け
「にしん鉢」と呼ばれる専用の器が存在するほど愛された、会津の伝統保存食。北海道産の干物に山椒の葉を重ね、酢と醤油で漬け込むことで、にしんの臭みを消し爽やかな風味に仕上げる。

べったら漬け
「べったり付くぞ」と縄で振り回されたのが名前の由来。江戸時代のえびす講で売られていた大根の浅漬けが発祥の、東京庶民の味。

赤漬け/赤ずし
鶏頭の赤い花に似た鮮やかな色が名前の由来「けいとまま」。秋田県北のお盆に欠かせない発酵食品で、疲労回復と消化促進の万能薬として盛夏を乗り切ってきた。

なすのこうじ漬け
秋田県南で古くから作られる冬支度の漬物。新米の二番米とこうじを贅沢に使い、皮が鮮やかな在来種のなすを長期保存する知恵が詰まっている。
秋田県の名物

柿漬け
大根と渋柿を塩と砂糖で漬けた角館の伝統漬物。正月の来客には花形に切り盛り付ける風習が残る。

いものこ汁
里芋の子孫芋「いものこ」を主役に、鶏肉や秋の味覚をふんだんに入れた秋田の鍋料理。横手市では270年の栽培歴を誇る里芋が、独特の粘りと柔らかな歯ごたえを生み出す。

きりたんぽ鍋
がまの穂に似たご飯を串に刺し焼いた「たんぽ」を鍋に入れた秋田の名物料理。山籠りの炭焼き職人が生み出した知恵が、今も収穫の労をねぎらう味として受け継がれる。

納豆汁
後三年の役で生まれた納豆が、秋田県南の正月を彩る。すり潰した納豆を味噌汁に溶かし込み、山菜やきのことともに冬の寒さをしのぐ。

だまこ鍋
「だまこ」の名は子どもの遊び道具「お手玉」に由来し、ご飯を丸めた団子が鍋の主役となる秋田の冬の味。八郎潟の干拓で魚から鶏へと変化した歴史も興味深い。

笹巻き
笹の葉に包まれた秋田の初夏の味覚。田植えを終えた女性たちが里帰りする「さなぶり」の手土産として、嫁家から持たせられた贅沢なハレの食文化である。