
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
もち米粉にうるち米粉を1割ほど混ぜてつくった餅に、しっかりと形を残したササゲをまぶした素朴な和菓子である。甘さを抑えた味わいが特徴で、近年はササゲを砂糖水に浸して甘味をつけるが、かつては塩やきな粉で食することもあった。主な伝承地域は福井県あわら市と坂井市の一部、特に旧三国町・旧芦原町・旧金津町の竹田川沿いの農家であり、かつては各家庭でササゲを自家栽培していた。主にお盆の時期に各家庭でお供え物としてつくられ、子どもからお年寄りまで広く喜ばれるおもてなし料理であったほか、嫁いだ女性が実家へ帰る際の手土産としても用いられた。家庭ごとに甘味の付け方やササゲの煮方に違いがあり、現代では砂糖の入手が容易になったことで甘味が定着している。
由来・歴史
「とびつき団子」の名の由来には二説ある。一つは薄赤いササゲが、なかの餅に飛びついたように見えることから、もう一つはあまりの美味しさに飛びつくように食べてしまうことからというものである。昔はお盆のお供えとしてどの家庭でも必ずつくられていた伝統菓子であり、ササゲは各戸で自家栽培されていた。甘味をつけるようになったのは近年で、かつては砂糖の入手が難しく塩味も珍しくなかった。
食べ方
ササゲはたっぷりの水で柔らかくなるまでゆで、砂糖水に1時間ほど浸した後、水を切って用いる。もち米粉とうるち米粉をぬるま湯で耳たぶくらいの柔らかさに練り、細長く形づくって熱湯で浮かせ、ざるに引き上げたら乾かないうちにササゲをまぶす。主にお盆に各家庭でつくられ、お供え物やおもてなし料理として食されたほか、嫁いだ女性の実家への手土産としても用いられた。
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産地
団子の名物

笹団子
戦国時代に上杉謙信が携行食とした保存食が、米俵に似た俵形の和菓子へ。笹の殺菌作用を活かした新潟の銘菓である。

おあえ団子
米粉団子を白和えで包む滋賀の変わり種和え物。法事に欠かせない「おあえ」の名は、野菜と団子を「和え合わせる」ことに由来する。

メギスのだんご汁
「メギス」は石川県の方言で、ギョロっとした大きな目が由来ともいわれる。鮮度が落ちるのが早く産地以外では刺身も味わえない、この地だけの特権的な魚を使っただんご汁である。

かぼちゃのだんご汁
日本最古のかぼちゃ「三毛門かぼちゃ」を丸ごと煮込む、戦前戦後の貧しい時代を生き抜いた命のスープ。トロトロの甘みと小麦粉だんごの素朴な味わいが特徴である。

いわしのだんご汁
イワシのすり身を味噌で味付けただんごを、具沢山の汁に浮かべる北総・九十九里の冬の定番。海の米と謳われた地元イワシの栄養を丸ごと味わう、漁師町ならではの知恵料理である。

いわし団子
炭酸を仕上げに加える弓ヶ浜流の工夫が生臭みを抑え、ふんわりとした食感を生み出す。片栗粉などのつなぎを使わない、イワシの身だけで作る珍しい団子料理。
福井県の名物

雑煮
「株を上げる」縁起かつぎのかぶと、北前船が運んだ黒砂糖の二つの物語が交差する福井の正月の味。日常の汁椀に盛る素朴な雑煮は、昆布敷きの鍋で丸餅を味噌仕立てに煮込む。

すこ
「古い血を流す」と言われる赤ずいきの酢漬け。浄土真宗の報恩講に集まる人々へ振る舞われる福井県随一のポピュラーな精進料理である。

せいげ
「子を背負ったカニ」を大根おろしと味噌で煮る漁師飯が、北前船の船員も舌鼓を打った福井の冬の隠れ名物。かつては出荷されなかった雌ガニの庶民的な味わいである。

里芋のころ煮
「上庄さといも」の薄皮を残したまま煮るのが美味しさの秘訣。浄土真宗最大の行事「報恩講」で振る舞われる精進料理として、子孫繁栄の縁起物としても親しまれてきた。

さばぬた
鯖街道の出発点・小浜で生まれた「さばぬた」は、塩と酢でしめたサバを味噌やからし、ねぎと和える郷土料理である。地元では「のた」「どろず」とも呼ばれ、古くから親しまれてきた。

おつぼ
浄土真宗の最大行事「報恩講」に欠かせない精進料理。親鸞聖人が愛した小豆と里芋を煮詰めた、福井の信仰と食が交わる名物である。