
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
みかん餅は、有田みかんの果肉をもち米の上に載せて蒸し、皮を剥いた後に一緒に搗き合わせた菓子である。柑橘の鮮やかな色合いと香り、さわやかな酸味が特徴。主な伝承地は和歌山県有田市で、山と海に挟まれ稲作に不向きな地形だが、温暖な気候がみかん栽培に適した土地である。収穫期の10月から12月にかけて、極早生・早生・晩生の順に実をつけるみかん畑が山を黄色く染める季節に親しまれてきた。家庭ごとの違いは記録にないが、表面を焼くとパリッとした食感に変化するアレンジが現代でも楽しまれている。
由来・歴史
有田みかんの起源は、1574年に伊藤孫右衛門が熊本県八代から苗木を持ち帰ったことに遡る。紀州藩の奨励もあり「紀州小みかん」の産地が形成され、1634年には江戸へ船出して評判を博した。1685年には豪商紀伊國屋文左衛門が荒れた海を冒して江戸にみかんを運び、高騰した市場で富を得た逸話が残る。みかん餅自体は後世のふるさと料理研究から生まれた菓子である。
食べ方
蒸し上げた状態でそのまま食べると柔らかい食感が楽しめる。表面をこんがりと焼くと外側がパリッと、中はトロッとした食感に変化し、一層風味豊かに味わえる。みかんの収穫期である10月から12月頃に合わせて食されることが多い。
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産地
餅の名物

みつめのぼたもち
「みつめのぼたもち」は、第1子誕生3日目に食べる巨大なぼたもちである。栄養回復と母乳祈願の思いを込め、親戚や近所へ配る風習が江戸時代から続く。

ないしょ餅/なべ餅
杵と臼を使わず鍋の中でこっそりつくる「ないしょ餅」。隣近所に聞こえないようにペッタンペッタンと音を立てずに作ることから、家族だけで内緒で食べる楽しさが名前の由来となった。

納豆餅
顔と同じ大きさの巨大な餅に納豆を練り込む京北の正月名物。戊辰戦争の山国隊が出征の際に携行した携行食がルーツとされ、正月三が日かけて食べる風習が残る。

めの餅あられ
繭の豊産を祈って作られた小正月の飾り餅を、1月末に油で揚げた香ばしいあられ。榎木に刺した紅黄緑の餅が、春の訪れを告げる。

葛餅
「葛」の名は奈良・吉野の山の民「国栖人」が由来。真冬の地下水で精製した吉野本葛の透明な弾力と、ほんのり温かい中身のもちもち食感が魅力の和菓子である。

くじら餅
「久しく持つ良い餅」が転じた名前の通り、江戸時代から300年続く保存食。新庄藩の兵糧食が起源とされ、桃の節句の雛菓子として今も親しまれる。
和歌山県の名物

なれずし
約800年以上の歴史を持つ日本三大なれずしの一つ。塩サバと古米を植物の葉に包み発酵させ、秋祭りの夜宮からその翌日まで家族一人に1本ずつ振る舞われる。

おかいさん/茶がゆ
「おかいさん」とは和歌山県の茶がゆの愛称で、米の少ない山間部で腹持ちを良くするため芋やむかごを入れて食べられてきた。印南地方の里唄にも「おかいでけんか」と詠まれるほど郷土に深く根付く味である。

尾の身の刺身
熊野の古式捕鯨で大切にされてきたクジラの希少部位「尾の身」。尾びれ付け根のわずかな霜降り肉を刺身で味わう、和歌山・太地の極上鯨料理である。

めはりずし
「目を見張るほどに美味しい」とか、「おにぎりに目張りをするように包む」から名づけられた、高菜漬けで大きなおにぎりを包む和歌山県南部の郷土寿司。漁や山仕事の合間に手軽に食べられる弁当として広まった。

豆ごはん
米が乏しくなる春、えんどう豆をたっぷり入れて増量したのが始まり。塩だけで炊くシンプルな味わいが、子どもから大人まで親しまれる。

こけら寿司
屋根材「こけら板」を押し型に使ったこと、あるいは木屑に似た見た目から名付けられた「押しずし」の原型。和歌山の漁港町では、豊漁祈願の夏祭りでヒメジやエソを使った豪華なこけら寿司が振る舞われてきた。