
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
米を番茶やほうじ茶で炊いた粥で、和歌山県南部を中心に「おかいさん」と呼ばれ親しまれている。山がちで稲作適地が限られる「木の国」和歌山では米が貴重だったため、少ない米でも満腹感を得られるよう工夫された。熊野山間など稲作地の少ない地域では農作業後ののどの渇きと空腹を癒す日々の主食として、1日に5〜6回も食べられていた。家庭ごとに茶の種類や炊き方が異なり、何も入れない「坊主茶がゆ」、そら豆やうすいえんどうを入れた「豆茶がゆ」、むかごを入れた「むかごがゆ」など地域差が顕著である。現代でも大釜で大量に炊いて忙しい時期に食べるなど、生活に密着した食文化として受け継がれている。
由来・歴史
「おかいさん」は「おかゆさん」が訛った愛称である。山間部で米が貴重だった和歌山県では、少ない米でも満腹になるよう茶がゆが生まれた。かつては茶の木を家庭で栽培しており、茶がゆ文化の定着を支えた。印南地方の里唄「今日も今日とて、おかいでけんか、わしのおかいに芋がない」には、兄弟で取り合いになるほど甘い芋入りの茶がゆが好まれていた様子が残る。
食べ方
鍋で番茶を煮出し、茶袋を取り出したところに米を入れて強火で炊く。木のしゃもじですくい上げるように混ぜ、米がふくらんだら火を止める。好みで塩をひとつまみ加えることもある。腹持ちを良くするためさつまいもや里芋を入れるほか、県北部・中部ではそら豆やうすいえんどう、南部では秋のむかごを入れる。南高梅の梅干しや金山寺味噌をのせる、焼き餅を入れる「焼きもちかゆ」、米粉やきび粉の団子を入れる「だんごがゆ」などバリエーションも豊かである。
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産地
和歌山県の名物

尾の身の刺身
熊野の古式捕鯨で大切にされてきたクジラの希少部位「尾の身」。尾びれ付け根のわずかな霜降り肉を刺身で味わう、和歌山・太地の極上鯨料理である。

さんまずし
硬く握った姿から「さえらの鉄砲」とも呼ばれる、熊野灘の寒サンマを使った押し寿司。佐藤春夫も「ふるさとで二番目に美味しい」と絶賛した、山間部の貴重な栄養源だったごちそうである。

しらす丼
「バッチ網」という男性の下着に似た細かい網で漁獲された新鮮なシラスを、天日干しした釜揚げシラスとしてごはんに載せた紀伊水道の港町ならではの味。湯浅醤油や金山寺味噌を添えて食べるのが地元流である。

なれずし
約800年以上の歴史を持つ日本三大なれずしの一つ。塩サバと古米を植物の葉に包み発酵させ、秋祭りの夜宮からその翌日まで家族一人に1本ずつ振る舞われる。

みかん餅
荒海を決死で渡った豪商の伝説を持つ有田みかんを、もち米と練り合わせた郷土菓子。蒸し上げた後に皮を剥き、爽やかな酸味と香りを閉じ込めた一品。

めはりずし
「目を見張るほどに美味しい」とか、「おにぎりに目張りをするように包む」から名づけられた、高菜漬けで大きなおにぎりを包む和歌山県南部の郷土寿司。漁や山仕事の合間に手軽に食べられる弁当として広まった。