
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
葛餅は、葛の根のデンプンを精製した「吉野本葛」を主原料とする透明でプルプルとした舌触りの和菓子である。厳冬期に地下水で繰り返し洗い、2〜3ヶ月乾燥させる「吉野晒製法」という江戸時代からの伝統技法で作られ、奈良県吉野地方の寒さと良質な水が高い品質を生み出している。特に時期を問わず年間を通して食べられており、家庭や甘味処で親しまれている。作りたてを氷水で締めたものをきな粉や黒蜜とともに味わうのが一般的で、冷やすと弾力が際立ち、中がほんのり温かい状態ではもちもちふわふわの食感が楽しめる。
由来・歴史
「葛」という名は、奈良県吉野地方に住む山の民「国栖人(くずびと)」が葛から葛粉を作り売っていたことに由来する。葛粉は葛の根に含まれるデンプンを真冬の地下水のみで繰り返し精製し、2〜3ヶ月乾燥させた自然食品である。この厳冬期に冷水に何回もさらす製法は「吉野晒製法」と呼ばれ、江戸時代から続く伝統的な製法である。
食べ方
きな粉や黒蜜をかけて食べるのが一般的である。作りたてを氷水で締め、中がほんのり温かみを残す程度にして食べると、もちもちふわふわの食感が楽しめる。冷やすと弾力が際立つ。特に時期を問わず年間を通して食べられている。
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産地
餅の名物

めの餅あられ
繭の豊産を祈って作られた小正月の飾り餅を、1月末に油で揚げた香ばしいあられ。榎木に刺した紅黄緑の餅が、春の訪れを告げる。

みかん餅
荒海を決死で渡った豪商の伝説を持つ有田みかんを、もち米と練り合わせた郷土菓子。蒸し上げた後に皮を剥き、爽やかな酸味と香りを閉じ込めた一品。

みつめのぼたもち
「みつめのぼたもち」は、第1子誕生3日目に食べる巨大なぼたもちである。栄養回復と母乳祈願の思いを込め、親戚や近所へ配る風習が江戸時代から続く。

くじら餅
「久しく持つ良い餅」が転じた名前の通り、江戸時代から300年続く保存食。新庄藩の兵糧食が起源とされ、桃の節句の雛菓子として今も親しまれる。

こっぱもち
「こっぱ」とは小さく切るという方言で、輪切りにしたさつまいもを天日干しした保存食を指す。天草の軒先に吊るされた光景は冬の訪れを告げる風物詩であった。

きらずもち
「切らず」に由来する縁起の良い名を持つ餅。豆腐作りの副産物・おからを混ぜ、正月に食べられた高知県佐川町尾川地区の郷土菓子である。
奈良県の名物

まなめはり
幻の野菜「下北春まな」を使った奈良県下北山村限定のめはりずし。寒さで甘みが凝縮した肉厚の葉が、山仕事のお弁当として古くから親しまれてきた。

生節とねぎの煮もの
室町時代、翁の面と共に空から降ってきた伝説の「結崎ネブカ」を使う、奈良の奥深き家庭料理。海なき奈良が育んだ生節の旨味と、甘み豊かなねぎの絶妙な組み合わせである。

七色お和え
真言宗の盆供えに欠かせない「七色お和え」。食糧難の時代に7種の野菜を使うことは贅沢の極みであり、精霊への感謝と豊穣を願う心意気が込められている。

かしわのすき焼き
天満宮の秋祭りで牛に代わり鶏を使う風習が生んだ、関西独自の「かしわすき」。生卵にくぐらせた柔らかな鶏肉は、祝いの席にふさわしい華やかさを持つ。
ふるさと納税柿の葉寿司
渋柿の葉に包まれたサバの押し寿司は、一晩置くことで葉の香りと魚の旨みが酢飯に移り、防腐効果も相まって長期保存が可能な知恵の結晶である。紀州の漁師が峠を越えて運んだ夏サバが、奈良の夏祭りを彩る名物へと変貌した。

柿なます
干し柿を入れた奈良の正月なます。砂糖の代わりに柿の甘みを活かした知恵が、平安の願いを込めた紅白の色とともに現代に伝わる。