
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
奄美地域でつくられる、よもぎ(ニシヨモギ)を練り込んだ餅菓子。"かしゃ"とはクマタケランの葉のことで、よもぎとゆでたさつまいも、黒砂糖、もち米粉を練り上げた生地をこの葉で包んで蒸すと、ほのかな芳香が餅にうつって風味が増す。「ふっつもち」「フツィムチ」などの別名は、九州の方言でよもぎを指す言葉に由来する。奄美ではよもぎは厄除けや薬草として、クマタケランは殺菌・防虫の葉として親しまれ、できあがったら親類におすそ分けする習慣も残る。いまは学校の家庭科の授業でも継承され、奄美土産としても人気。月桃の葉で包む店があるなど、島の菓子店ごとの個性も楽しい。
由来・歴史
もとは旧暦3月3日や5月5日の節句に、子どもの健康を願ってつくられてきた菓子で、よもぎには厄除けの力があると考えられてきた。大和村の湯湾釜集落では、旧暦10月16日の伝統行事「ムチモレ踊り」で、顔を隠した青年たちが厄払いに一軒残らず家々を巡って踊り、カシャ餅が振る舞われる。集落が大火事になったとき田んぼの泥で火を消したという故事にちなみ、この餅は泥を意味し、防火と無病息災の祈りが込められている。
食べ方
重曹を入れた湯で軽くゆでて一晩水にさらしアク抜きしたよもぎと、ゆでたさつまいもをペースト状にし、黒砂糖・もち米粉・水を加えて練り込む。生地をクマタケランの葉に包み、蒸し器で20分ほど蒸す。食べるときは葉を外して中のよもぎ餅だけをいただき、かたくなったら蒸し直すと柔らかさが戻る。春に摘んだよもぎを冷凍しておき、いまは時期を問わずつくられている。
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産地
餅の名物

柏餅
枯れ葉になっても落ちないかしわの葉に、子孫繁栄を願う思いを託した縁起餅。福井県若狭地方の「田の神祭り」で、子ども神輿が巡る家々に必ず供えられる。

かしわ餅
柏の葉が自生しない島根では、トゲのある「猿取り茨」の葉を巻いて作る。端午の節句や田植え後の「泥落とし」で農家の女性たちがせっせと蒸した、香り高い郷土の味。

きび餅・あわ餅・とち餅
丹波・丹後の山間部で、米が足りない時代に主食代わりに食べられてきた雑穀餅。きび・あわ・とちの実を使った素朴な味わいが、近年は健康食として再び注目されている。

かき餅
旧暦の正月についた餅を一か月以上干し、油で揚げて食べる千葉の伝統菓子。芯が残らずふっくら膨らむ食感が特徴で、一年間保存できる実用的な知恵が詰まっている。

重箱入りぼたもち/おはぎ
「みつめのぼたもち」と呼ばれる出産祝いの名物。ぼたもちを丸めるのではなく、もち米ごはんとあんこを重箱に敷き詰め、好きな量だけ取り分けて食べる独特のスタイルが特徴である。

じゅね餅
えごまの実を炒ってすり潰した「じゅね味噌」が決め手の郷土菓子。子どもたちが囲炉裏で串餅を焼き、秋から冬の夜を楽しんだ。
鹿児島県の名物

鶏飯
薩摩藩の役人をもてなすために考案された、奄美群島の知恵と技が詰まった郷土料理。鶏を余すことなく使い、鶏ガラのコク深いスープをかけてさらさらと頂く。

きびなごの刺身
帯状の縞模様が名前の由来となったキビナゴを、手開きして菊の花に見立てた華やかな刺身。酢味噌で食べるのが鹿児島流。

黒糖
江戸時代、奄美群島の島民は年貢を黒糖で代納させられ「黒糖地獄」と呼ばれる過酷な時代を経験した。カラメルのような深いコクと風味を持つ、鹿児島を代表する甘味料である。

かるかん
「軽い羹(羊羹)」の名の通り、蒸すと生地が軽くなるのが特徴。かつては庶民の口に入らない「殿様菓子」だったが、明治以降に広まった鹿児島の銘菓である。
ふるさと納税からいもねったぼ
「練ったぼたもち」が縮まった名の餅料理。鹿児島県では年末年始の餅つきの際、蒸したさつまいもと餅を混ぜ合わせ、きなこと砂糖で味付けして食べる風習が残る。
ふるさと納税からいもごはん
「からいも」はさつまいもの鹿児島方言。土壌が痩せたシラス台地でも育ち、台風被害も受けにくい頼もしい作物を、角切りにして米と一緒に炊いた質素ながら深い味わいのごはんである。