
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かき餅は、蒸したもち米に里芋、塩、ごま、のりなどを混ぜてつき、かまぼこ型に成型して薄切りにし、陰干しした乾燥餅である。利根川流域の穀倉地帯で育つ粘り気の強いもち米を原料とし、千葉県独自の品種「ふさこがね」や「ふさおとめ」などが用いられる。旧暦の正月に餅とともにつき、一か月ほど経ってから油で揚げてお茶うけやおやつとして食べられてきた。低温の油で揚げることで芯が残らず膨らみ、炭火焼きも行われる。家庭ごとに具材の配合や厚さに違いがあり、現代でも年間を通して親しまれている保存食である。
由来・歴史
「かき餅」の名は、旧暦の正月に餅とともについていたことに由来する。千葉県は東日本一の早場米の産地であり、利根川流域の穀倉地帯で粘り気のあるもち米が生産されてきた。網の袋に入れて風通しのよい場所に吊るせば一年ほど保存でき、農家の実用的な知恵として受け継がれてきた。
食べ方
つきたてのかき餅は2日ほどで固くなるため、包丁で2〜3ミリの厚さに切り、2日間陰干しするか網の袋に入れて風通しの良い場所に吊るす。半月ほどで乾燥し保存可能となり、食べる際は低温の油で揚げるか炭火で焼く。一か月経った頃が最も美味しく、年間を通しておやつとして食べられている。
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産地
餅の名物

かしゃもち
厄除けのよもぎと黒糖を練り込み、香りの葉「かしゃ」(クマタケラン)で包んだ奄美の餅菓子。仲の良い二人を「餅とカシャのようだ」とたとえるほど、島の暮らしに寄り添ってきた。

柏餅
枯れ葉になっても落ちないかしわの葉に、子孫繁栄を願う思いを託した縁起餅。福井県若狭地方の「田の神祭り」で、子ども神輿が巡る家々に必ず供えられる。

かしわ餅
柏の葉が自生しない島根では、トゲのある「猿取り茨」の葉を巻いて作る。端午の節句や田植え後の「泥落とし」で農家の女性たちがせっせと蒸した、香り高い郷土の味。

じゅね餅
えごまの実を炒ってすり潰した「じゅね味噌」が決め手の郷土菓子。子どもたちが囲炉裏で串餅を焼き、秋から冬の夜を楽しんだ。
ふるさと納税じゃんぼ餅
2本の串を刺した姿が刀を腰に差した上級武士に似ることから「両棒(じゃんぼ)」と名付けられた鹿児島の郷土菓子。南北朝時代、懐良親王をもてなした料理が起源とされる。
千葉県の名物

からなます
疱瘡祭の定番料理として受け継がれる「からなます」は、イワシとおからを俵型に握った千葉の郷土酢の物。祝い事にはウサギの形に盛り付け、不祝儀には普通の皿盛りと使い分ける食習が残る。

金山寺みそ
空海や心地覚心が唐・宋より伝えたとされる製法で、江戸時代には徳川吉宗が幕府に献上。醤油の起源ともいわれる歴史ある味噌である。

くじらのたれ
真っ黒な外見から「炭」「海苔」とも呼ばれる南房総の保存食。冷蔵庫のない時代に生まれたクジラの味噌漬け風干しは、今も里帰りの土産として親しまれている。

かいそう
琴柱に似た枝の海藻を煮詰めて固めた、九十九里・銚子のおせち名物。味濃い正月料理の「箸休め」として、古くから親しまれている。

重箱入りぼたもち/おはぎ
「みつめのぼたもち」と呼ばれる出産祝いの名物。ぼたもちを丸めるのではなく、もち米ごはんとあんこを重箱に敷き詰め、好きな量だけ取り分けて食べる独特のスタイルが特徴である。

いわしの卯の花漬け
おからの白さが卯の花に見えることから名付けられた、九十九里の海と里が生んだ保存食。冬のイワシを酢漬けにし、食物繊維豊富なおからで漬け込むことで型崩れを防ぎ、長期保存も可能になった。