
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
寒漬けは、大根を干して塩漬けにし、さらに1〜2カ月干して「あめ色」に仕上げた後、醤油・みりん・酢の調味液に漬け込む漬物である。こりこりとした食感と独特の風味が特徴で、芦北・水俣地域に古くから伝わる。当地は冬の冷たい風が強く、大根を干すのに適した気候風土を持つ。主に11月下旬から3月頃にかけて作られ、軒先に吊るされた干し大根の光景は冬の風物詩となっていた。調味液にしょうがや昆布、柚子胡椒を加えるなど、各家庭で味付けを工夫する。現在は家で干す人が減ったが、干し大根の状態で販売され、道の駅やスーパーで懐かしい味として親しまれている。
由来・歴史
「寒漬け」の名は、冬の冷たい風に大根を二度さらして作ることに由来する。芦北・水俣地域では、大根を竹の串で穴を開け、ひもを通して軒先の竹竿に吊るす製法が古くから伝わり、この光景は当地の冬の原風景として親しまれてきた。寒い時期に作る漬物であるが、保存がきくため1年中食べられ、現在も地域の食文化として継承されている。
食べ方
あめ色に干し上がった大根を薄切りにし、醤油・みりん・酢の調味液に1〜2日漬け込んで食べる。器に盛った際に白ごまを振りかけると香ばしさが加わる。炊き立ての白いご飯やお弁当のおかずとしてはもちろん、お茶請けや日本酒・焼酎のつまみとしても合う。11月下旬から3月頃が作りの季節だが、保存がきくため1年中楽しめる。
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産地
漬物の名物

かりもりの粕漬け
「カリッとした食感でごはんがもりもり食べられる」という名前の由来を持つ、濃尾平野の伝統的な粕漬け。明治から続くかりもりという硬い白瓜を、知多半島の酒蔵から出る酒粕で漬け込む夏の味である。

甲州小梅漬
「カリカリ漬」の異名を持つ甲州小梅漬は、卵の殻を使った独自の漬け込み法で歯ごたえのある食感を生む。天日干しせず梅酢に漬けたまま保存する「どぶ漬け」が特徴の山梨の人気加工品である。

キャベツとマスの漬物
津軽の内陸部で生まれた「始末の料理」。マスのアラを余すところなく使い、魚の旨味とキャベツの甘みが調和する、雪国の知恵が詰まった漬物である。

いわしの卯の花漬け
「卯の花」とはおからのこと。北茨城の豊かな漁場で水揚げされる新鮮なイワシを、酢と合わせたおからに漬け込むことで長期保存を可能にした、知恵の詰まった郷土料理である。

いわしの卯の花漬け
おからの白さが卯の花に見えることから名付けられた、九十九里の海と里が生んだ保存食。冬のイワシを酢漬けにし、食物繊維豊富なおからで漬け込むことで型崩れを防ぎ、長期保存も可能になった。

いくらの醤油漬け
「いくら」という名は明治時代にロシアから伝わった語源を持つ。秋のサケ漁期に北海道の家庭で手作りされる醤油漬けは、正月まで楽しむ贅沢な保存食として親しまれている。
熊本県の名物

からし蓮根
藩主を病弱から救った伝説を持つ熊本名物。細川家の家紋「九曜」に似た輪切りの断面が特徴で、明治維新まで門外不出の秘伝味だった。

かすよせ
「かすよせ」は、ごはん代わりにもおかずにもおやつにもなる熊本県山都町の万能料理。大豆と野菜を煮込んだ優しい味わいは、冷めて味が染むと一層美味になる。

このしろの姿寿司
コノシロを背開きにして酢締めし、棒状のすし飯を腹に詰めた縁起物。江戸時代から受け継がれる八代海沿岸の正月の味で、2〜3日経ったら炙って二度楽しむ裏技もある。

蛇腹大根(房切り大根)の煮物
「蛇腹」の名は、独特の切り方で3倍に伸びた大根が蛇の腹のように連なることに由来する。南阿蘇の冬の風物詩として、軒下に白い花のように吊るされる保存食である。

一文字のぐるぐる
白根を軸に青い葉をぐるぐる巻いた、熊本の春の味覚。6代目藩主・細川重賢の倹約令から生まれた、酒のつまみとして考案された知恵の料理である。

いきなり団子
「いきなり」は熊本弁で「手早く・すぐに」の意。急な来客でも短時間で作れてすぐ出せる、さつまいもを小麦粉で包んだ素朴な蒸し菓子が名の由来。