
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小麦粉に水を加え耳たぶほどのかたさに練り、指で薄く伸ばしてゆでた麺を、カツオ節や煮干しの出汁で煮た汁物である。主な伝承地域は栗原、仙北・大崎耕土、北上丘陵、三陸沿岸など県北一帯で、伊達藩の米どころであった登米地方を中心に広まった。四季を通じて地域の行事でふるまわれ、家庭料理としても通年食されている。出汁や具材は季節の野菜、きのこ、鶏、豚など地域や家庭により異なり、代々母から子へ受け継がれる味となっている。
由来・歴史
400年前の藩政時代、登米地方では「買米制」で年貢後の米も藩に献上され、農民は米を満足に食べられなかった。畑の小麦を粉にして練りゆでたものが「はっと」の起源で、当初は米の代用食であった。領主が農民の米作り疎忽を憂い、ハレの日以外の食用を「法度」としたことから「はっと」の名が生まれたという。玉造地方では「つめいり」「つみれ」、他地域では「ひっつみ」などとも呼ばれる。
食べ方
出汁に大根、人参、ごぼう、干ししいたけなど季節の野菜や肉を入れ、薄く伸ばした小麦粉の麺を加えて醤油で味付けする。大鍋で大量に調理し、地域の行事でふるまわれることも多い。汁物のほか、あんこやずんだ餡と和える食べ方もある。
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産地
汁物の名物
ふるさと納税へちま汁
「へちま」とは糸瓜のこと。1802年の百科事典『成形図説』にも記載があるほど古くから鹿児島で食べられ、夏バテ知らずの知恵が詰まった一皿である。

冷や汁
素焼きの魚を炙った味噌でとった汁を冷やして麦飯にかける、宮崎の知恵の食。農民が夏の重労働で時間のない時に栄養補給として食べた即席かけ汁が原点である。

冷やし汁みそ仕立て
きゅうり、青じそ、みょうがを刻んで冷たい味噌の汁に――暑さで食欲が落ちる夏も、さらさら食べられる新潟・中越の一杯。そのまま汁物でも、ごはんや麺にかけてもいい。

具だくさん味噌汁
「味噌は医者いらず」の言葉通り、長野県民の活力源として一日一杯が欠かせない具だくさん味噌汁。すいとんを入れた「ひんのべ・とっちゃなげ」など、地域ごとの呼び名も豊富である。

呉汁
浄土真宗の最大行事「報恩講」にふるまわれる精進料理。すりつぶした大豆を味噌汁に溶かした、ふわふわの食感と豊かなたんぱく質が特徴の温かい汁物である。
宮城県の名物

へそ大根のにしめ
串に刺した穴が「おへそ」に見えることから名付けられた、宮城県丸森町の保存食。冬の寒風にさらし、凍る夜と融ける昼を繰り返して飴色に熟成させた大根を、具だくさんの煮しめで楽しむ。

ほっきめし
「貝の王様」と呼ばれるホッキ貝を贅沢に使った宮城県山元町の郷土料理。生の貝を醤油で煮込み、その煮汁で炊いたご飯の上にのせる、漁師町ならではの豪快な一皿である。

ホヤの酢の物
「海のパイナップル」と呼ばれるホヤは、甘味・酸味・塩味・うま味・苦味の五味を持つ三陸の名産。宮城県は全国生産量の8割を占め、初夏の水揚げ直後の新鮮な味わいが特徴である。

はらこ飯
伊達政宗公に献上された宮城の名物料理。「はらこ」とはサケの腹にいる子=いくらを指す方言で、煮サケといくらの贅沢な共演が特徴である。

呉汁
「呉」とは大豆を水に浸してすりつぶしたもの。宮城県で古くから親しまれる大豆の「呉汁」は、畑の肉と呼ばれる大豆の栄養を丸ごと摂れる、冬場の体を温める郷土料理である。

がんづき
雁の肉に似ていることから名付けられた「がんづき」は、宮城県民にとって馴染み深い素朴な蒸しパン。黒砂糖の風味が特徴的な「黒がん」と、ういろう風の「白がん」があり、日常のおやつとして親しまれてきた。