
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大豆を一昼夜水に浸してふやかし、すり鉢やフードプロセッサーでつぶした「呉」を、里芋・大根・人参・油揚げ・ねぎなどの野菜たっぷりの味噌汁に入れた汁物料理である。宮城県は大豆の栽培面積が北海道に次ぐ全国第2位の産地で、ミヤギシロメ・タンレイ・タチナガハなどの品種が栽培され、生産された大豆は味噌・納豆・豆腐などに加工されてきた。秋から冬にかけての大豆収穫時期に合わせ、体が温まることから冬場に多く食べられてきた。家庭ごとに入れる野菜の種類や量が異なり、日常的な家庭料理として現在も食卓に上る。
由来・歴史
大豆は「畑の肉」と称され、古来から日本人の生活を支えてきた必須アミノ酸を含む良質なタンパク源である。大豆を水に浸してすりつぶしたものを「呉(ご)」または「醐」と呼び、これを味噌汁に入れたのが「呉汁」である。宮城県は大豆の一大産地であり、農家で生産された大豆は様々な加工品となってきた中、呉汁は全国でも好んで食べられてきた郷土料理として親しまれている。
食べ方
大豆を一昼夜水に浸してふやかし、すり鉢やフードプロセッサーでつぶして「呉」を作る。野菜たっぷりの味噌汁の中に「呉」を入れ、個々の椀に盛り付けて食事の汁物として食べる。秋から冬にかけての大豆の収穫時期、特に体が温まることから冬場に多く食べられ、日常的な家庭料理として親しまれている。
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産地
汁物の名物

具だくさん味噌汁
「味噌は医者いらず」の言葉通り、長野県民の活力源として一日一杯が欠かせない具だくさん味噌汁。すいとんを入れた「ひんのべ・とっちゃなげ」など、地域ごとの呼び名も豊富である。
ふるさと納税へちま汁
「へちま」とは糸瓜のこと。1802年の百科事典『成形図説』にも記載があるほど古くから鹿児島で食べられ、夏バテ知らずの知恵が詰まった一皿である。

呉汁
浄土真宗の最大行事「報恩講」にふるまわれる精進料理。すりつぶした大豆を味噌汁に溶かした、ふわふわの食感と豊かなたんぱく質が特徴の温かい汁物である。

がん汁
「がん」はカニ汁が訛った呼び名。殻ごとすりつぶしたツガニのたんぱく質がふわふわと浮かび上がる、大分県宇佐市の知られざる名物料理である。

がんちゃ汁
石臼でカニを粉々に搗くという荒々しい伝統製法から生まれる、ふわふわと浮かぶカニの身が特徴の汁物。モクズガニの全身を余すところなく味わう鳥取の知恵料理である。
宮城県の名物

はらこ飯
伊達政宗公に献上された宮城の名物料理。「はらこ」とはサケの腹にいる子=いくらを指す方言で、煮サケといくらの贅沢な共演が特徴である。

はっと汁
「法度」に由来する名の郷土料理。400年前、米を献上せざるを得なかった登米の農民が小麦粉で生み出した知恵の食。薄く伸ばした麺はかつて女性の腕前を競う技でもあった。

へそ大根のにしめ
串に刺した穴が「おへそ」に見えることから名付けられた、宮城県丸森町の保存食。冬の寒風にさらし、凍る夜と融ける昼を繰り返して飴色に熟成させた大根を、具だくさんの煮しめで楽しむ。

がんづき
雁の肉に似ていることから名付けられた「がんづき」は、宮城県民にとって馴染み深い素朴な蒸しパン。黒砂糖の風味が特徴的な「黒がん」と、ういろう風の「白がん」があり、日常のおやつとして親しまれてきた。

ふすべ餅
「ふすべ」とは煙でいぶすこと。ドジョウを串刺しにして囲炉裏で乾燥させた保存食が、宮城県栗原市の餅文化と出会い、ピリ辛の名物料理へと生まれた。寒い冬は体を温め、夏は食欲をそそる。

エビ餅
沼エビがそのまま餅に絡まる、インパクト大の宮城県北の名物。紅白の見た目が美しく、正月の来客ふるまいに欠かせないハレの日の食事である。