
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
赤かぶ漬けは、塩・酢・砂糖・焼酎の調味液に漬け込んだ酢漬けの保存食である。主な伝承地域は村上市山北地域で、山形県との県境に位置する山間部である。耕地に乏しいこの土地では焼畑農法で赤かぶを育て、鮮やかな赤色と扁平な形状、歯応えの良さを持つ特産品として収穫する。晩秋の11月頃に収穫し、厳しい冬の長期保存食として食べられてきた。各家庭で漬け方や調味料の配合が異なり、早く食べる場合は薄切りや千切り、長期保存には厚切りや丸漬けなど切り方も多様である。現代ではお茶請けとしてそのまま食べられるほか、稀少な焼畑農法とともに貴重な食文化として継承されている。
由来・歴史
山北地区の赤かぶ栽培は、耕地の乏しい山間部で行われてきた焼畑農法に由来する。焼畑は土壌を殺菌し灰を肥料とする原始農法で、現在は村上市山北地区と山形県鶴岡市、宮崎県椎葉村のみで残る貴重な技術である。山北の山の斜面で育つ赤かぶは、他所では出ない独特の鮮やかな赤色を持ち、これは素材本来の色素によるものである。かつては地元笹川流れの海水を釜炊きした塩を用いて漬けることもあった。
食べ方
収穫した赤かぶは塩・酢・砂糖・焼酎の調味液に漬け込み、寒さが厳しくなった頃に完成する。食べ方は家庭ごとに異なり、早く食べる場合は薄切りや千切り漬け、長期保存には厚切りの切り漬けや丸漬けにする。できあがった漬物はそのまま食べたり、お茶請けとして楽しむ。晩秋11月頃の収穫から冬を通じて食べられる保存食である。
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産地
漬物の名物

阿蘇高菜漬け
「高菜折り」と呼ばれる手折り収穫が今も残る阿蘇の伝統野菜。火山灰大地と寒冷気候が育む太い茎を、新漬けと古漬けの2つの味わいで楽しむ。

エツの南蛮漬け
有明海・筑後川にのみ生息する「幻の魚」エツを、年に一度の解禁期に南蛮漬けに仕立てる福岡の夏の味。銀鱗を振って息絶える儚さが「美人薄命」の異名の由来である。

赤かぶの千枚漬け
酢を加えると赤い色素が美しく発色し、単調な冬の食卓を彩る津軽の伝統漬物。雪に包まれる厳寒期にじっくり漬け込まれたまろやかな味わいは、昔から冬の野菜不足を補う大切な保存食であった。

赤ど漬け
「阿蘇の馬刺し」と呼ばれる鮮やかな赤色の漬物は、里芋の茎を塩と酢で漬けたもの。中秋の名月に収穫されたものほど色が美しく出るとされ、女性たちは漬け方に気を使ったという。

赤かぶらの酢漬け
戦に敗れた平家の落人が「赤色」のかぶらを後世に残したいと願い、800年以上前から福井市美山地域で伝承された「河内赤かぶら」。酢漬けにすると皮の色が反応して中まで真っ赤に染まり、見た目の美しさと保存性から代表的な郷土料理となった。
新潟県の名物

あんぼ
米粉で練った皮にあんや漬物を包む、新潟・長野北部の蒸し菓子。小麦粉の「おやき」とは異なり、米の豊かな土地ならではの米粉皮が特徴。囲炉裏の灰で焼く古い食べ方も残る。

ふぐの子の粕漬け
2年以上塩蔵したフグの卵巣を佐渡の酒粕で熟成させる、江戸時代から続く保存食。酒粕の甘みで塩辛さが和らぎ、ご飯のお供や酒の肴として親しまれる。

ふかしなす
新潟県が全国一のなす消費量を誇る背景にある、蒸して冷やした「ふかしなす」。アクが強い巾着なすがふかすとトロリと甘く変化し、夏の暑さをしのぐ郷土の知恵である。

へぎそば
織物の道具「へぎ」に盛り付けられる新潟・魚沼発祥の蕎麦。つなぎに布海苔を使うことで生まれるツルツルの食感と、からしを薬味にする独特の食べ方が特徴である。

冷やし汁みそ仕立て
きゅうり、青じそ、みょうがを刻んで冷たい味噌の汁に――暑さで食欲が落ちる夏も、さらさら食べられる新潟・中越の一杯。そのまま汁物でも、ごはんや麺にかけてもいい。

干し大根漬け
「はりはり」と音を立てて食べることから名付けられた新潟の保存食。酢を使わず醤油ベースで昆布とスルメの旨味を閉じ込め、寝かせるほどに味が深まる。