
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
赤ど漬けは、阿蘇地域独自の品種「赤ど芋」の茎を塩で揉み、酢を加えて漬けた発酵漬物である。茎はアクが少なく、漬けると鮮やかな赤色に変化する。主な伝承地域は熊本県阿蘇の旧一の宮町などで、高菜漬けと並ぶ伝統的な保存食として親しまれてきた。この地域は草原が広がり、干し草刈りなどの秋の農作業が盛んな土地柄である。食べられる時期は中秋の名月から霜が降りるまでの秋限定で、毎日のおかずや干し草切りのお弁当に欠かせなかった。家庭ごとに酢の量や漬け方に違いがあり、色の具合が変わるため女性たちは慎重に作業したという。現代では冷蔵庫で赤色を保つことができるが、常温では黒く変色する。
由来・歴史
赤ど漬けは阿蘇の旧一の宮町などに伝わる伝統的な漬物で、色や食べ方から「阿蘇の馬刺し」「畑の馬刺し」とも呼ばれる。「赤ど芋」は阿蘇地域独自の呼び名で、種芋とともに受け継がれてきた里芋の一種である。昔は冷蔵庫がなく、9月中旬から霜が降りる期間しか漬けられなかった。中秋の名月の頃に収穫されたものほど色がよく出るとされ、ちょっとした漬け方の違いで色が変わるため、家の女性たちは気を使って漬けていた。
食べ方
塩を揉み込んだ茎に重石をかけ一晩置き、水が上がったら酢を振って黒い汁を取り除く。きれいな赤色になったら皮をむき、ひと口大に切ってしょうが醤油をかけて食べる。昔は青唐辛子入りの醤油も用いられた。中秋の名月から霜が降りるまでの秋に漬けられ、毎日のおかずや9月下旬からの干し草刈りのお弁当に携帯された。冷蔵庫保存で赤色を保てるが、常温では黒く変色する。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
漬物の名物

赤かぶの千枚漬け
酢を加えると赤い色素が美しく発色し、単調な冬の食卓を彩る津軽の伝統漬物。雪に包まれる厳寒期にじっくり漬け込まれたまろやかな味わいは、昔から冬の野菜不足を補う大切な保存食であった。

赤かぶ漬け
雪深い山間部で焼畑栽培された鮮やかな赤かぶを漬けた保存食。山北地域独特の土壌と気候が生み出す鮮烈な紅色が特徴である。

赤かぶらの酢漬け
戦に敗れた平家の落人が「赤色」のかぶらを後世に残したいと願い、800年以上前から福井市美山地域で伝承された「河内赤かぶら」。酢漬けにすると皮の色が反応して中まで真っ赤に染まり、見た目の美しさと保存性から代表的な郷土料理となった。

あちゃら漬け
南蛮貿易がもたらした異国の風を孕む漬物。ポルトガル語「achar」が名の由来とされ、赤唐辛子の辛味が爽やかな甘酢と絶妙に響き合う。冷蔵なき時代の夏の保存食として博多の台所に根付いた。

わかめの醤油漬け
早春に獲れる萩市のわかめを醤油でもみ込み生で食べる保存食。瀬やグリと呼ばれる海底の岩礁が生む栄養豊かな海で育ったわかめの、香りと歯応えをそのまま味わう。
熊本県の名物

阿蘇高菜漬け
「高菜折り」と呼ばれる手折り収穫が今も残る阿蘇の伝統野菜。火山灰大地と寒冷気候が育む太い茎を、新漬けと古漬けの2つの味わいで楽しむ。

馬肉蕎麦
「肉そば」と言えば馬肉だった熊本の食文化。戦後の食糧難で軍馬の肉を使ったことから広まり、今ではカレーにも使われるほどポピュラーな食材となった。

馬刺し
朝鮮出兵で軍馬を食べた加藤清正が帰国後も好んだと伝わる熊本の名物。桜色の切り口が美しい「桜肉」は、低脂肪・高タンパクで滋養強壮の食材として古くから親しまれている。

ぶたあえ
豚肉の代わりにタコを使ったユニークな「ぶたあえ」。沖縄のゴーヤチャンプルーがルーツであり、天草湾のマダコを貴重な豚肉の代替食材として炒めたことから、この名が残った。

だご汁
熊本弁で「だんご」を意味する「だご」が名の由来。国道57号線沿いには「だご汁街道」と呼ばれる店舗群があり、地元では農作業の合間に親しまれる腹持ちの良い郷土料理である。

がね揚げ
天草の方言で「がね」はカニのこと。揚げた姿がカニの足に似ることから名付けられた精進料理で、仏事には欠かせない一品として長く親しまれてきた。