
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ヤギの肉・骨付き肉・内臓を大鍋で3時間以上じっくり煮込み、フーチバー(よもぎ)とンジャナ(苦菜)を加えて塩味で仕上げる汁物である。独特の臭みと苦みが特徴的な味わいを生む。沖縄県では「ヒージャーグスイ(ヤギ薬)」として古くから親しまれ、県外ではあまり見かけない食材である。親類縁者の祝い事や棟上げ・新築完成祝いなど、人々が大勢集まる場で振る舞われることが多い。かつては病気やけがの回復薬として食べられていたが、現在は伝統的な食文化として愛されている。
由来・歴史
「ヒージャー」は山羊のことで、フィージャーとも呼ばれる。沖縄県では「ヒージャーグスイ(ヤギ薬)」として珍重され、体を温める効果や病気・けがの際の回復薬として親しまれてきた。医学の発達に伴い薬としての側面は衰退したが、伝統的な食文化として現在も受け継がれている。
食べ方
骨付きヤギ肉をぶつ切りにし、深鍋で3時間ほど弱火で煮込む。途中でフーチバー(よもぎ)を加え、肉がやわらかくなるまでさらに煮る。出来上がったら丼に盛り、おろしショウガをのせて塩を添える。各自が塩で味を調整しながら好みの味にして食べる。ヤギを解体したらすぐに料理し、親類縁者の祝い事や棟上げ・新築完成祝いなどで大勢で食べるのが風習である。
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産地
汁物の名物

盆汁
お盆に殺生を避けて作られた精進料理がルーツ。カツオ節も煮干しも使わないのに、油揚げと7種類の夏野菜が織りなす深いうま味が特徴の三重県の盆汁。
ふるさと納税豚汁
鹿児島県の豚汁は、全国1位の飼育頭数を誇るかごしま黒豚と、甘みの強い麦味噌が決め手。江戸時代に琉球から伝来した黒豚と、薩摩藩独特の食文化が生んだ、体の芯から温まる郷土料理である。

だご汁
熊本弁で「だんご」を意味する「だご」が名の由来。国道57号線沿いには「だご汁街道」と呼ばれる店舗群があり、地元では農作業の合間に親しまれる腹持ちの良い郷土料理である。

イカスミ汁
口が真っ黒になる「お歯黒汁」として知られるイカスミ汁は、アオリイカの墨と苦菜のほろ苦さが織りなす唯一無二の味わい。沖縄では「サギグスイ(下げ薬)」として古くから健康食として重宝されてきた。

ソーキ汁
骨から肉がほろりと落ちるほど煮込んだ豚のあばら肉を、シンプルなすまし汁で味わう。沖縄では「ソーキそば」よりも身近な家庭の味として、お正月の食卓に欠かせない一品である。
沖縄県の名物

イナムドゥチ
イノシシの代わりに豚肉を使うことから「イノシシもどき」と名付けられた沖縄の祝い汁。寒い季節のおめでたい日に、高級なカステラかまぼこを入れてとろりと仕立てる。

血イリチー
貧血予防の薬としても用いられた「以類補類」の思想が息づく、豚の血を使った沖縄のハレの日料理。近年はHACCP管理で豚の血の入手が困難になり、食文化の継承が危ぶまれている。

クファジューシー
「クファ(堅い)」と「ヤファラ(軟らかい)」の2系統を持つ沖縄の炊き込みご飯。お盆の「ウンケー」には葉ショウガ入りの特別なジューシーが供され、ハレとケの境界を映し出す。

イラギムン
実が熟す前の青いパパイヤを味噌でさらっと和える八重山の家庭料理。母乳の出が良くなる効能から、産後の産婦に広く食されてきた。

イーヤチ
約600年続く「種子取祭」で食べられる保存食。芭蕉の葉に包まれた丸い姿は、多忙な祭期を乗り切る島民の知恵とごちそうの記憶を今に伝える。

牛汁
王朝時代に牛の屠殺が禁じられた沖縄で、特別な存在として伝わる牛肉の滋養食。鮮やかな黄色の島ニンジン「チデークニ」が入る冬の風物詩である。