
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
イラギムンは、青い状態の野菜パパイヤを豚肉・揚げ豆腐・昆布・シイタケとともに味噌味で煮詰めた和え物風の料理である。パパイヤは煮るとダイコンに似た食感となり、沖縄県八重山地方では家の裏庭や屋敷の隅に植えられたパパイヤを利用して作られてきた。庶民の日頃のおかずとして親しまれるほか、お彼岸には赤飯の俵むすびやてんぷらとともに供えられる。産後の母乳増進や心臓病への効能を求めて食されることも多く、現代ではパパイン酵素やビタミンCの豊富さからダイエット食品としても注目されている。家庭ごとに味噌の味付けに違いがあり、汁気を少なく煮詰めるかたちで受け継がれている。
由来・歴史
イラギムンの名は、八重山地方で実が熟す前の青いパパイヤを「イラギ」と呼ぶことに由来する。沖縄県では青いパパイヤを野菜として炒め物やサラダ、ンブシー、チャンプルーなど多様に食するが、この料理は味噌を使った煮物として独特の系譜を持つ。かつては各家庭で味噌を手作りしており、その味噌を用いた調味が特徴となっていた。
食べ方
パパイヤはあらかじめ湯がいておき、他の食材と同じ柔らかさに調節する。豚肉を湯がいた汁に、パパイヤと揚げ豆腐・肉・昆布・シイタケを入れて煮、火を弱めて味噌と砂糖で調味する。汁気を多くせず、煮すぎないことがうまく作るコツである。お彼岸の供え物として、あるいは産後の滋養として食される。
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産地
沖縄県の名物

ヒージャー汁
山羊の強い臭みをよもぎと苦菜で包み込む、沖縄の「薬膳鍋」。「ヒージャーグスイ」と呼ばれ傷の回復薬として珍重されてきた、好き嫌いが分かれる名物料理である。

イナムドゥチ
イノシシの代わりに豚肉を使うことから「イノシシもどき」と名付けられた沖縄の祝い汁。寒い季節のおめでたい日に、高級なカステラかまぼこを入れてとろりと仕立てる。

血イリチー
貧血予防の薬としても用いられた「以類補類」の思想が息づく、豚の血を使った沖縄のハレの日料理。近年はHACCP管理で豚の血の入手が困難になり、食文化の継承が危ぶまれている。

イーヤチ
約600年続く「種子取祭」で食べられる保存食。芭蕉の葉に包まれた丸い姿は、多忙な祭期を乗り切る島民の知恵とごちそうの記憶を今に伝える。

牛汁
王朝時代に牛の屠殺が禁じられた沖縄で、特別な存在として伝わる牛肉の滋養食。鮮やかな黄色の島ニンジン「チデークニ」が入る冬の風物詩である。

ヤファラジューシー
「ボロボロ」とも呼ばれる沖縄の雑炊風炊き込みご飯。豚だしで煮込んだ体を温める家庭料理で、冬や体調不良時に重宝されてきた。